春が来た14

 —— 長い冬だった。


 季節はめぐり、陽射しが暖かく感じられるようになった。

 ノヴァがスリングでミリアムを抱いて、ラディはエステルと手をつなぎ、隣をゆっくりと歩いていた。


 柔らかな光の中、穏やかな風が吹いて、ひらひらと花びらが舞う。


 

 君達の前には限りない世界が広がっていて、

 君達はこれから何にでもなれる。

 嬉しいこと

 哀しいこと

 怒ったり

 ワクワクドキドキしたり

 きっといろいろな出来事がある。


 僕の娘に生まれてきてくれて、ありがとう。

 君達の未来が光あふれるものでありますように。

 君達はきっと素敵な大人になる。僕はそう信じてる。


 僕の家族になってくれて、ありがとう。

 僕は君達と一緒に、同じ時を過ごせることを幸せに思っているよ。


 約束しよう、僕は君達3人の笑顔を守る。


 ……春が来た。

 新しい季節のはじまりだった。



*** 外伝5 終 ***


「これからも僕達は」全シリーズ ≪ 完 ≫


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

これからも僕達は 外伝5 春渡夏歩(はるとなほ) @harutonaho

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ