それから
小学校では、求められた「いい子」を演じることができたと思う。
何度かトラブルは起きつつも。
そのトラブルで僕が本質を自覚した出来事が二つあった。
相手は、4年生ぐらいに転校したやつ。
彼の名前は、確か、忘れてしまったのでM君と呼ぶことにする。
M君が来たからといって僕の日常は変わらない。
それでも、M君の存在は当時の小学生にとってはすごい衝撃だった。
日常会話の中で自然と下世話な言葉を使う、女子に対して手を出したり悪口をいったりと。一気にクラスの中にひびが入っていった。M君を中心に。
僕の通っていた小学校は九州の方で、僕の学年は全員で40人足らず、2クラス。
田舎だからみんな仲良く、成長速度も比例していくような平穏を具現化した環境だった。そんな中、平穏とはかけ離れたM君の加入は劇薬そのものであり、ひびが入るのも当然の結末であった。
それでも、M君は自分に向けられている視線などお構いなしに普通?の生活を送る。
僕は、小学生ながら社会を経験した。
環境破壊兵器でも社会に入られてしまっては、排除、いや駆除ができないことに。
どんなに全体にとって切除しなければならないガンであってもコミュニティに入られてはどうしようもない。そして、社会が求めるのは立場といった思念概念であり、」小学生の僕には何もないことも自覚した。ならば、どうするか。
「小学生」という少年法が無条件に保護する立場を利用した。
タイミングというものは、意図しないものであり、無条件に訪れる。
それはある日の体育の授業の時に二人組を作る機会があった。
その日の僕は、前日の父親とのイロイロで頭が回っていなかった。
そして、気づけば授業は終わっていた。
体操服から私服に着替え終わるころにいきなり担任にM君と一緒に呼び出された。
理由はこうだ。
どうやら僕はM君に相当な物言いをしたらしい。
その時僕は、
「クラスに来なきゃいいんじゃない?邪魔だし、ガンだし。」
等の言葉を伝えたみたいだった。
僕にとっては、当然のことであり何が悪いか分からなかった。
そんな態度を見せる担任からの奇妙な視線を無視しながら、
M君は、なんだかんだとほざきながらも目元が赤くなっていた。
「(なんか、泣いてる、、、、、、、、、、、、、きも)」
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