講解

ラカン・フリーズ。それは神や涅槃に近い概念であるが、それらよりもさらに抽象的なもので、最高天=イデアの頂点のさらに上に咲く花、劫初の前にある虚空、終末の後に訪れる凪、零の先に霞む夢の楽園、存在し得ない不可能点としての魂の寄る辺、そんな場所、生命の輪廻、時流の螺旋、波の音調、花の色調、冴えた脳のクオリア、大いなる信仰、慈悲深き神、見返りを求めない愛、それらを内包せし凪としてのフリーズのことである。


恐らくは「もっとも抽象的な概念はなにか?」と問われた際に、多くの人は答えられまい。だが、本を一生読み続けた老人や類稀なる精神の持ち主、稀代の天才らは、それが数字であると悟り答えるであろう。


だが、数字よりもさらに抽象的で高貴で高い『最期の概念=ラスノート』は、まさしくラカン・フリーズなのである。


これは私の造語だよ。

これは私の生まれた意味だよ。

だから、私はラカン・フリーズを表現するために、絵を描き、歌を作り、詩を書き、物語を綴る。

これが私の生きる意味だ。

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No.3散文詩『ラカン・フリージア』 空色凪 @Arkasha

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