第6話 チートスキルで丸裸!?
――それではチュートリアル10を開始します。まずはステータス画面を表示してください。探索者の侵入が確認されたときにのみ出現するバトルモードという項目が追加されているはずです。
俺は機械音声に従いステータス画面を表示させた。
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HP30
MP10
攻撃力8
防御力8
魔法攻撃力5
魔法防御力5
素早さ20
ジョブ:【
クラフトメニュー▼
バトルモード:ON/OFF
――――――――――――――――――――
たしかにバトルモードの項目があるな。
見た感じONとOFFを切り替えできるみたいだな。
――バトルモードをONにすると、モンスターに指令を出すことができます。指令の種類は主に四つで、攻撃命令・防御命令・退避命令・待機命令を駆使して戦います。
「なんかますますゲームじみてきたな」
俺はONのボタンをタップした。
すると画面が半分になって、左側の画面にゴブリンの姿が映し出された。そして右側の画面にはコマンドが表示されている。
――――――――――――――――――――
ゴブリンLv1【識別NO.1FA】▶
HP15
MP5
攻撃力5
防御力5
魔法攻撃力5
魔法防御力5
素早さ10
ジョブ:無し
現在の行動:自由
攻撃命令:ON/OFF
防御命令:ON/OFF
退避命令:ON/OFF
待機命令:ON/OFF
――――――――――――――――――――
「この識別ナンバーっていうのはなんなんだ?」
――マスター。現在、マスターには配下が200体いる状況です。ゴブリン100体、スライム100体というのがその内訳になります。識別ナンバーの1Fというのは、このダンジョンの第一層に存在していることを示します。そしてAというのは、マスターが一番最初に移動させたゴブリンということです。マスターはそれぞれのフロアに10体ずつモンスターを配置しているので、それぞれのフロアにA~Jまでの個体が存在することになります。
「なるほどな。んで、この▶をタップすれば……」
予想通り、今度はゴブリンLv1【識別NO.1FB】▶と表示された。
「やっぱりか。つまりこの画面を駆使してモンスターを操作できるってことだな?」
――さすがマスター。ご明察です。攻撃命令を受けた個体は、視界に映った敵を攻撃するようになります。そして防御命令を受けた個体は敵からの攻撃を防御するようになります。
「ふむふむ。ところで、攻撃命令と防御命令をONにしたらどうなるんだ? 挙動がバグったりはしないのか?」
――ご安心ください、マスター。その場合は最も新しい命令が優先され、古い命令はOFFと同じ扱いを受けます。
「よぉーし、そうと分かれば話は早い! 全軍突撃じゃーいッ!!」
俺は1Fのゴブリン全ての攻撃命令をONにした。
そして次はスライムの攻撃命令もONにした。
「あとはSFE画面を見ながら探索者を削っていけばいい。我ながら完璧な作戦だな!」
――さすがマスター。攻撃は最大の防御というわけですね?
「おうよっ! 攻めねーことにはなんにも始まらないからな。ところで、SFE画面では何をすればいいんだ? ただ見てるだけってことはないだろ?」
――では、そちらについての説明を開始しますね。SFE画面では、常に侵入者の姿が映し出されています。そして、映し出されている探索者の姿をタップすると、その探索者の情報を閲覧することが可能になるのです。
「えっ……」
えっ、ちょ、は?
待て待て待て、それはいくらなんでも…………。
「それってチートすぎないか?」
――マスター、お忘れですか? このダンジョンの主はマスターなのですよ? マスターはマスターなのですから、このダンジョン内に限り出来ないことはないのです。なぜならマスターなのですから。
うん、なんかもうそれでいいや。
マスターか。
なんかすごい便利な言葉だな。
ちょっとゲシュタルト崩壊しそうだけど。
「よし、それじゃあまずはこの子の情報を閲覧しようか」
最前線を歩く盾のヤツは防御系のジョブに就いているのだろう。そして最後尾を歩く優男は攻撃系のジョブ。
この二人は見ただけでどんな戦い方をするのか想像がつく。
でも杖のヤツは微妙だ。
たぶん、どっちかが魔法使いで、どっちかがヒーラーなんだろうが、視覚情報だけではどっちがどっちだか判別できない。
まずはヒーラーを特定しておきたいところだ。
だから、女の子のほうを優先して閲覧するのはしょうがないことなんだ。別に下心とかは全くないぞ。本当にやましい気持ちは無いからな。
「えーと、どれどれ?」
俺はまず銀髪の女の子をタップした。
するとその子の顔写真と全体写真が映された。
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HP69
MP60
攻撃力19+5
防御力20+5
魔法攻撃力22+6
魔法防御力25+7
素早さ30
ジョブ:【僧侶】
所属パーティ【
詳細情報▶
――――――――――――――――――――
「僧侶……。定石通りに考えればこの子がヒーラーだが」
鷹野芽衣さんねぇ。
さぞかしモテるんだろうな。
セミロングの髪が首元でウェーブを描いている。
肌は白く、アップにも余裕で耐えるくらいの美貌を放っていた。
写真の表情は無表情で不愛想な感じだけど、それがまたクールさを醸し出していて様になっている。
俺は次に薄紅ロングヘアの少女をタップした。
こっちの子からは活発な印象を受けるな。
見た目はお淑やかな令嬢って感じだけど、写真は満面の笑顔で、キラキラと輝いて見えるくらいだ。
――――――――――――――――――――
HP70
MP71
攻撃力10+3
防御力15+10
魔法攻撃力55+9
魔法防御力38+8
素早さ32
ジョブ:【魔法使い】
所属パーティ【
詳細情報▶
――――――――――――――――――――
「高坂さんは魔法使いか。ってことはやっぱり鷹野って子がヒーラーっぽいな」
ところで、詳細情報ってなんだろう?
俺は鷹野芽衣の画面を開きボタンを押してみた。
そして次の瞬間、体温がブワッと跳ね上がった。
「なっ、ななな、なななななっっ!?!??」
なんとそこには、下着姿に剥かれた鷹野の姿が映されていた。
鷹野の全体像の横には今身に着けている装備品が表示されていて、名称から値段から販売店までもが記載されている。それどころか購入年月日まで分かる仕様になっているではないか。
しかも身長や体重、スリーサイズ、好きな食べ物、趣味なども記載されていて、犯罪臭がヤバいんだが??
つーか通っている学校や家の住所まで書いてあるじゃねーか!
「このスキルいくらなんでもヤバすぎるだろッ!!」
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