「十六歳の日記」川端康成

 祖父の介護をしていた時期の、川端康成氏の十六歳頃の日記です。


 うちのじいちゃんの話を書いているんでしょうか?と思うほど、じじやんのタイプが似ていて微笑ましくなりました。

 孫が日本の文学界を牽引する人物になると知っていたら、おじいさんは一体どうしたでしょうか。お孫さん、ノーベル賞とっちゃいますよ!?そんなこと言って大丈夫ですか!?と思いながら、ニヤニヤしました。

 もちろん、介護に苦労する少年のこころもしっかりばっちり書かれています。


 川端康成氏も十六歳の頃は、私の十六歳頃とそう変わらない発想でいたのですね。それが「ねむれる美女」「みずうみ」を書き上げるほどの人物になったのはどういうことでしょうか。

 きっと頭の中には才能が住んでいて、頭の外には世界が広がっていたのでしょうね。


 彼が得ていたデータと同じものを、例えばUSBか何かを頭蓋に突き刺してビビッと取得すれば、私は一体どんなものを書くようになるのでしょうか?

 それとも黒い煙を口や鼻から吐いて、バタリと倒れてしまうでしょうか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る