「坊ちゃん」夏目漱石

 てやんでい!な江戸っ子、坊ちゃんのおはなしです。さらさら読めます。全編がセリフ運びのようでいて、しつこくもなく、すっと頭に入ってきます。


 実は、恐れ多くも真似てみて、セリフ調の原稿を書いたこともあったのですが、あまりに難易度が高くてキャラを作った不自然さが臭ってきてしまいまして、あわてて直しました。

 そうして修正した原稿は現在、とある文学賞にお出かけ中です。せめて一次選考くらい通ってほしいですね!


 名作と呼ばれるものは、どうしてこうも「本物の人間」らしいのでしょうか。隅々まで一貫していないところが良いのでしょうか。どこにでもいる本物の人間たちは、どんな共通点で動いているのでしょうか。

 私は「本物の人間」を書きたいのですが、人間特有の行動の振れ幅はどれくらいに定めるべきなのか?をずっと迷っている気がします。

 少なくとも言えることがあるとするなら、工場製品のように規格じみた人間像は、矛盾はないけれどかえってうさんくさくなるんだろうなあ、ということでしょうか。学ぶのが人間、変わるのが人間、勉強したつもりでも忘れるのが人間ですからね。


 夏目漱石の名作「坊ちゃん」は、本当に坊ちゃんが書いたもののように物語も思考も進んでいくのです。

 難しすぎることは抜きにしてストレスなく読めるという点でも、間違いなく名作です!!そして笑いを誘うエピソードや言い回しも多く、世の中の色んな理不尽や悲劇をハッピーに江戸っ子として生き抜く坊ちゃんのこと、私は大好きです!

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