「赤と黒 上下」スタンダール(新潮文庫)
街並みの描写から登場人物に関連する歴史を辿り、ようやく主人公が登場した頃にはすっかり世界観になじんでいる自分に気が付きました。
背景についての言及が読み手の想像を固める役割を果たしていると感じた作品です。だって、紙に描くものが絵なのか文なのかは小説という形をとれば一目瞭然だけれど、そこにSFの世界を乗せるのか、残虐系なのか、超能力があるのかは、はじめにきちんと説明されなければ分からないですものね。
それで、私は「みにくい男の人魚のはなし」に「まえがき」を追加した次第です。
私は街の俯瞰図をはじめ、引きで見たものの説明を苦手とするので、克服していかねばなあ……と思いました。
それから特筆すべきは、男女の駆け引きの巧みに入り組んだ描写。一挙手一投足を心の動きに従って解説することで、一見するとまとまりのない矛盾した動作がそれなりの意味を持って動き出すという、これは私、本当に感嘆しちゃいました。
恋愛とは如何に書くべきか?という問いが解けた気がして、次回は恋愛ものも書いてみたいなあ、と思わせてくれた作品です。
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