第4話 妖怪を祓う人たちの現代ファンタジー
<あらすじ>
幼い頃、妖怪によって父親を亡くした楓。その責任は自分にあると考えた彼女は母親に対しても心を閉ざしており、常に他者を遠ざけていた。大学に進学した翌年、妖怪に襲われているところを祓い人に救われた楓は、その祓い人──享也の助手に勝手に決められ、祓い人と妖怪の争いに巻き込まれていく。
<登場人物>
成瀬享也(25)…「妖屋」の所長、祓い人。祓い人としての腕は確かなものだが、「天上天下、唯我独尊」を絵にかいたような人間。自堕落な生活を送る、社会生活不適合者。
結木楓(20)…享也の助手兼雑用係、京成大学2年。妖怪が「見える」人間。自身の力に恐怖を抱き、限られた者にしか心を開かなかったが、享也たち信頼できる人々や妖怪たちとの出会いで少しずつ成長していく。
戌井武(18)…享也の助手。高い身体能力を持ち、IQ188の天才。人懐っこく、誰とでも簡単に距離を簡単に縮められる。少々天邪鬼だが、少年らしい素直さがある。
神永龍之介(27)…享也の同業者、祓い人として名を馳せている神永家の当主。飄々としてつかめない人物。女と酒、博打が大好きという欠点があるが、それを補うほどのカリスマ力と人たらしの才のおかげで人を惹きつける。
霞…龍之介の式。女にだらしない主の龍之介を窘められる唯一の存在。口数は少なく、表情を変えることもめったにない。甘い物が好き。
瓜生環(26)…享也の同業者、祓い人として名を馳せている瓜生家の当主。常に冷静沈着だが他者と慣れ合うことを良しとせず、少々神経質。幼い頃に妖怪に襲われて片目を負傷したため、右目に片眼鏡を着用している。
朧…環の式。主の環とは反対に、人間とも妖怪とも分け隔てなく仲良くなることができる。自分と性格が似ている犬が好き。
藤堂紘一(21)…楓の先輩で民族研究部の部長、京成大学3年。明朗快活、お人好しで涙もろい。その人間性によって多くの人間に慕われている。
田畑美晴(20)…楓の親友で民族研究部に所属、京成大学2年。穏やかで明るい性格の美人。楓とは大学からの仲。
新城千晶(19)…楓の後輩で民族研究部に所属、京成大学1年。思慮深いが、少々気が強い。楓に思いを寄せている。
清宮壱人(28)…享也のライバル、祓い人として名を馳せている清宮家の当主。物腰柔らかで常に穏やかな笑顔を浮かべているが、腹の底は知れない。捕まえた妖怪たちを使って非道な実験を行っているという噂が流れている。
桂木唯月(21)…壱人の護衛。護衛の腕としては確かだが、勝ち気ですぐにカッとなりやすい。壱人に絶対的な忠誠を誓っている。
麻田栞(23)…享也の元恋人、故人。清宮家の分家の生まれ。享也とは将来を誓っていたが、その中を良く思わない清宮家の人間に殺害される。
<テーマ>
人間と妖怪の異種族間の対立、それによって引き起こされる悲喜劇、登場人物たちがそれぞれのトラウマを乗り越えるなど。
<世界観>
現代ファンタジー
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