第4話魔人と二度寝

 とある王国の宮廷にお抱え詩人として召し抱えられている魔人がいた


 春も終わる頃のある日の朝、魔人はぐっすりと眠っていた


「ご主人様、朝ですよ、起きてください」

というと従者である黒猫、魔人のお腹を猫パンチして起こす


しかし、魔人、起きない

「う~ん、うるさいのう、黒猫よ、今日は休みだぞ」

「魔人様、休日も早く起きないと、昼夜逆転しますよ

それはお肌によくありません」

「黒猫よ、美容に気をつける前に、もう一度寝かせてくれ」


というと、魔人、二度寝

黒猫はしかたなく諦めて、洗濯を始める


魔人は二度寝の夢の中で、お姫様と踊る


おお、うるわしき姫君よ♬


あなたの美しさは世界を祝福しております♬


皆に幸せをもたらす姫の美貌は♬


我ら臣下の者たちの憧れ♬


今日もその微笑みで我らを祝福なさってください♬


魔人は夢の中で歌うと、幸福の絶頂にいた


黒猫は二度寝しながら、鼻歌を歌っている魔人をみて、一言、

「ご主人様はおめでたい人だなぁ」


今は春も終わろうとする新緑の季節


魔人と黒猫、今日も平和なのであった

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