第3話魔人と春うらら

 とある王国の宮廷お抱え詩人である、詩的魔人


今日はのんびり、お城の中庭の芝生で寝転んでいる


そよそよ、そよそよ、風が吹く🎵


陽の光に導かれ、我は詩を風にのせ、歌うのだ🎵


おお、輝かしき、春のうららよ🎵


生命はその存在を華やかに演出し、色とりどりの姿を現す🎵


この新鮮なる風の先へ、詩とともに、我はゆく🎵


魔人の隣で同じく芝生に寝転んでいた従者の黒猫は、

ぱちぱちと魔人の詩を讃えて拍手をした


「ご主人様、またまた素晴らしい詩ですね

心地いい、春のうらら、詩が輝いてますよ」


そう黒猫にいわれると、まんざらでもない魔人

にっこり微笑むと、言った

「黒猫よ、私はただ遊んでいるわけではないぞ

王の宿題をこなすべく、詩を詠んで霊力を蓄えているのだ

王の宿題はとても重大だ。なので、それなりの覚悟と準備が必要なのだ」

というと、魔人、寝転がっている芝生のクローバーをひとつ取り、

ゆびでつまんで、くるくると回した


「魔人様~、宿題の準備にもう半年かかってますね?

まぁ、いいや、ご主人様のぺーすでまいりましょう」

というと黒猫もクローバーをひとつつまんで、くるくるした


魔人と従者、春のうらら、のどかな時間を堪能するのであった






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