第15話 図書館での再会
翌日、
昼休みの時間を利用して、俺はリュックを背負いながら学校の図書館に向かっていた。
俺が通っているこの大学は、この時期に学園祭を迎えることになっている。
この大学の学園祭は高校のそれとは違う。
大学生の授業がだらだらしていて、クラス意識があまり強くないからだ。
学園祭に各クラスが何かを準備する必要はない。
その代わりに、学校が盛大な祝賀ダンスパーティーを準備する。
先輩たちによると、前回のパーティーはまるで西洋の中世貴族の舞踏会のような豪華さだったそうだ。
もちろんこの舞踏会は全ての学生が参加できるわけではなく、学校から招待された一部の学生だけが参加資格を持っている。
恐らく俺がアート展で目立ったパフォーマンスをしたからか、昨日学校から招待状を受け取った。
その舞踏会に行く前に、まずはダンスパートナーを見つけなければならない。
残念ながら、今のところ誰をダンスパートナーにすればいいのか、全く見当もつかない。
正確に言うと、この大学に本当に俺とダンスパートナーになってくれる女学生がいるのだろうか?
そんな変わった考えが頭の中をぐるぐるしていたが、図書館に到着するまで続いた。
今日ここに来た理由は、昨日LINEで泷上怜奈にメッセージを送ったからだ。
内容はこんな感じだった。「星夜について新しい考えとインスピレーションが湧いてきたんだ。もっと話を進めたいから、明日の昼に図書館に来てくれ。」
予想通り…泷上怜奈はそのメッセージには返信していなかった。
ただ、その横に表示される「既読」マークは、俺に彼女がこのメッセージを見たことを知らせてくれた。
彼女が約束に応じるかどうかはわからないが、とにかく彼女が来るか来ないかにかかわらず、今日は図書館でじっと彼女を待っている。
昼の図書館は人も少なく、みんな昼食に出かけたのだろう。
以前彼女と会った場所で静かにしばらく待っていたが、泷上怜奈の姿は見えず、少し眠くなってきた。
けれど、泷上怜奈は来なかったが……
でも、いつの間にか星野未来が俺の前に現れていたんだ!
星野未来を見た瞬間、眠気が急速に消え去った。
彼女の表情を見ると、今回は万全の準備をして俺を探しに来たみたいだ。
彼女のそばには二人の友達もいて、どうやら彼女の手伝いに来たらしい。
まさか俺と喧嘩するつもりじゃないだろうな?
そんなに俺に執着する必要ないぜ!
俺の魅力が忘れられないのはわかるが、もう俺には諦めてくれ!
星野未来の怖そうな表情を見ながら、どう対応すべきか考えていると、
彼女の表情が突然固まった。
彼女のそばにいた友達も何か恐ろしいものを見たかのように彼女の後ろに隠れた。
星野未来が最初は俺の目を見ていたが、徐々に俺の背後を見るようになった。
その凶暴な眼差しも次第に恐怖と後退に変わり、少し後ずさった。
ん?俺のオーラが強すぎてお前を怖がらせたか?
もちろんそんなことはない…
俺も少しは自覚があるから、さっきから背中が少し冷たく感じていたんだ。
だから俺も星野未来の視線に従って後ろを振り返った。
案の定…泷上怜奈という雪女がいつの間にか俺の背後に立っていたんだ。
おい、お前は猫か?歩いても足音一つしないぞ!
泷上怜奈が星野未来のような女に対して何か抑圧力を持っているのかもしれない。
泷上怜奈が現れると、星野未来はもう俺に近づくこともできなくなった。
彼女の友達も泷上怜奈が怖いみたいだ。
もう俺のトラブルを探すことなど考えられなくなり、逃げ出したがっていた。
星野未来はそう簡単に諦める様子ではなかったが、
彼女がじっと泷上怜奈を見つめている間に、泷上怜奈が俺の向かいに座ると、しぶしぶ自分の友達を連れて去った。
昨日のやり取りで、泷上怜奈がいる状況では自分が俺と話すことは絶対にないと星野未来は理解したのだろう。
泷上怜奈は普段弱々しくて、声も小さい半分だ。
しかし、彼女が時々放つ恐ろしいオーラは、彼女に狙われたものは絶対に逃げられないという錯覚を与える。
すごいな。
遠くに行った星野未来とその友達を見ながら、泷上怜奈はこの背後霊、召喚獣…呼び名は何でもいいが、ただそこに立っているだけで厄介な奴らを気迫で退けるんだ!
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