第8話 大爆発を奨励する
美術館から図書館まで走ってきた。
振り返ってみると、星野未来が追ってこなかったことに少しホッとした。
彼女は追ってこなかった。
しかし、システムからの報酬の通知は長い間俺の耳に響いていた。
この芸術展で、星野未来という「金鉱」をまるごと掘り当てたと言えるだろう。
星野未来が吹き飛んだ後、彼女からの報酬が散乱して、報酬を確認する時間さえなかった。
しかし、図書館に座っていると、報酬を見る余裕ができた。
そこで、俺は急いでlingを開き、星野未来からのメッセージをチェックし、途中でシステムから得た報酬もさっと確認した。
「500円の報酬を得ました」
「700円の報酬を得ました」
「1500円の報酬を得ました」
「あなたの絵画スキル+1」
「あなたの絵画スキル+1」
「あなたの絵画スキル+1」
見ていくと、最低でも10件の報酬通知があった。
合わせて見ると、星野未来という金鉱が爆発した後、桐谷秋には約5000円プラス5ポイントの絵画スキル点の報酬があった。
どうやら、星野未来は今、心の中で大喜びしているはずだ。
でも、それだけじゃ足りない!
このくらいの報酬じゃ、この体の元の持ち主がこの女に媚びへつらった、まる2学期分の補償にはならない…
彼女がさまざまな理由をつけて俺にプレゼントをせがんできたとき、
俺は節約して何日も饅頭を食べる羽目になった。
それは以前のバカな元の持ち主がやった愚かなことだが、
俺はそれが全く割に合わないと思っている、今こそが彼女という金鉱を本格的に掘り始める時だ!
「どうしてそんなに早く走るの?」星野未来からの最初のlingメッセージはこれだった。
「胃が少し痛い」と一応返信しておいた。
システムは何の報酬もくれなかったので、さらに「理事長が奨学金をくれるかもしれないんだ、250万円もあるんだよ!」とメッセージを追加した。
「完璧な歌の作曲機会を得ました」
完璧な歌の作曲?
俺は作曲なんて全く分からないが、以前の世界レベルの絵画制作の経験からすると、おそらくインスピレーションが爆発するような状態なのだろう。
たまたま桐谷秋は記憶力が悪く、いくつかの歌のメロディーは大体しか覚えられない。
今、星野未来に一口舐めれば、前世の伝説的な歌を次々と作り出すチャンスをどんどん増やしていけるんだ!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
これは絶対に狂ったようにprprprprするしかない!
「それで、理事長からの奨学金、秋ちゃんはどう使うつもり?」星野未来が瞬時にメッセージを返してきた。
ちょっと気持ち悪くなったから、彼女を少し気持ち悪がらせてやった。
「全部実家に送るよ。」
俺はとても素直に返事をした。
「せっかくそんなにお金を稼いだのに、全部両親に送るなんてもったいないよ、この間に私と遊びに行けるじゃん。」
ふん、その250万円で鶏の餌を買って、
我が家の鶏に全部やった方がまだいい。うちの鶏の方がお前より見た目いいからな、星野ちゃん!
そう思っているけど、Lingでの返信は全く違ったものだった。
「本当に一緒に出かけられるの?」
「うん、すぐに学園祭が終わったら一週間の休みがあるんだけど、一緒に遊びに行かない?」
星野未来はさらに「私たち二人だけで、一緒の部屋に泊まる。」と付け加えた。
すごいな!
もし以前の主だったら、きっとその場でやられていただろう。
でも今の俺は、彼女の体なんか欲しくない、彼女からの報酬が欲しいんだ!
「どこに旅行したい?」
桐谷秋は彼女が返信するのを待たずに、彼女が最も行きたい場所を直接言った。「渋谷はどう?欲しい服やバッグを全部買い揃えようか?」
星野未来のインスタには、今日京都のあの店で高価な服を買ったとかそういう内容ばかりだ。
こんな女性を喜ばせたければ、ひたすら高価なプレゼントを送り続けるだけでいい!
案の定、このメッセージを送った時、システムも俺にいくつかの高価なプレゼントを与えた!
「完璧な歌の作曲のチャンスを得ました」
「完璧な歌の歌唱のチャンスを得ました」
YES!YES!YES!もっと来い!
メッセージを編集し続けるうちに、なにかに肘を突かれた感じがした。
最初は星野未来のこの金鉱をどう掘り尽くすかに集中しすぎて気づかなかった。
けど、突く力が強くなると、俺は急に頭を上げた。
その一挙手一投足に、スマホを投げ出しそうになった。
泷上怜奈がいつの間にか俺の向かいに座っていた。
彼女はずっとペンで俺の肘を突いていた。
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