新クラス(冒険職業)の「JK的異世界考古学者」が誕生!危険な香りが、しています。
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 闇考古学者にクラスチェンジしたあいつらが、夜に、動きだす!ただ、ただ、腹立つ。
異世界に、新しいクラスが誕生した。
「JK的異世界な闇考古学者」
恐ろしい職業だ。
やばい動画配信が人気になったのが、きっかけ。
「寝顔に、ドッキュン!ドキドキ系チューチューブ」
眠っている人に突撃取材をして、その寝顔を見てしまおうという、ホラーまみれの動画配信チャンネルだ。
JKたちに、うけすぎ。
あきれるほどに、ビミョー。
「はい、起きてー!その寝顔、いいね!」
はじめは、単なる寝起きドッキリチャンネルだった。
それが、わがままJKをさらにわがままにするようなクラスが生まれたから、おかしなことになったんだ。
「女子高生たちにも、冒険をさせたい!」
そう考えたいのも、わかるけどさー。
やりすぎなんじゃ、ないか。
「さあ、いこう!」
「いろいろ、掘ろう!」
「だって、私たちは、JK的異世界な闇考古学者」
「だれにも、負けないんだ!」
「戦士にも」
「魔法使いにも」
「保育士にも」
すると、だれかが必ず、こう言いはじめるんだよな。
「闇考古学者にクラスチェンジして手に入れたスキルを、生かそう!寝顔にドッキュン配信を、やってみようよ!」
そして、秒で賛成。
「うん、やろう」
「私も!」
「やろう」
「やろう」
「野郎じゃないけど、やろう」
そういうノリが、いやだ。
夜中に集合して、楽しそうだし。
こちらは、恐怖を感じているというのにさ。
それに、しても。
今どきの女子高生たちが「学者」っていうのも、どうなのか。
…おっと。
きたぞ、きたぞ。
クラスチェンジしたあいつらが、こちらにやってきたぞ。
「さあ、寝顔を見てみましょう!」
相変わらず、ホラーなことを言っている。
ああ、ついに…。
ターゲットにされたこちらの寝顔が、あばかれる。
「チャンネルをご覧の、皆さん?どうですか、この寝顔!」
こちらは、何もできないまま。
そりゃ…。
当然だろうよ。
だってそこは、俺の眠る墓。
「やった!私たちにも、墓あらしができました!」
お前らが、言うな。
「チャンネルをご覧の、皆さん?見てください!」
「うわ!マジな死だ!」
「この冒険者の死に顔、魔王ですよ!」
だれか、助けてください。
JKって、むかつく。
ちがう!
本物の魔王は、お前らだー!
…っていうか、俺が魔王だってなぜ知っているんですか?
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