星空市へ

 祭日の夜にだけ開かれる特別な市場、それが星空市だ。風変わりな露店がずらりと並ぶという噂だが、

「ねえ、どこでやってるの?」

「まあそう慌てなさんな。あそこへ行くには許可証が必要なんです」

 男は少女と自分の胸に星型のブローチを付ける。そうして星空模様のとんがり帽を二人同時に被ると、

「わあ……!」

 あっという間にそこは人で賑わう夜の市場。

「星空市へようこそ」

 逸れないようにね、と念押しして男は少女の手を取った。

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