さてあの本の続きを読もう。わくわくしながら本を開いたら栞に何か走り書きがされている。

「『レモンクッキーの作り方』?」

 あっと慌てて本を開くと主人公が何かを探している。ああやっぱり。お話の中の彼女は料理が趣味だ。長い事同じ場所に栞を挟んでいたから自分のメモと間違えてレシピを書いてしまったのだろう。

「それじゃあこれは私が作るね」

 届ける手段があると良いけど。はやる気持ちを抑えながら、私はキッチンへと急ぐ。

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