オペラ座の枕

 やたら冗長で辻褄の合わない歌劇の様な夢を見た。そのせいか朝の冷たい風と一緒に窓から入って来たのは少し変わった客だった。

「すまない、下の階の者だが」

 黒いマントに仮面で顔を隠した小人の青年。ここは一階だけど。

「貴方の夢の音色は大変美しいが改善の余地がある」

 要するに昨夜の私の夢がうるさくて寝れなかったらしい。丁寧に謝罪すると、

「私に夢の調律を任せて貰えないか」

 怖いんだけどこれ受けても大丈夫なやつかしら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る