橋の上の友だち

 いつも橋の上で会っていた。狐のお面で目元を隠したお姫様みたいな女の子。家に入れないとき一人で行くと必ずその子はそこにいる。橋の真ん中、欄干の上。そこが私たちの特等席。手を繋いでくれるのが嬉しくて、私なんかと一緒なのに笑ってくれるから、

「ねえ」

 遮られた気がしてどきりとする。

「もう良いでしょ? 一緒に行こうよ」

 欄干から降りて、私達は橋の上。手を差し出される。

「一緒に行こう」

 背後の景色が、ゆらりと揺れた。

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