ある介護士の自分語り

第9話 施設長室へおいでませ

　一般的な企業であれば、異動と言う言葉は一般的に使う言葉。

一般的でないうちの職場は、異動と言う言葉は一般的に使わない。

何故なら・・・

異動なんて滅多にないから！

今までグループを変わる時に「異動」と言う言葉を使ってきたが、厳密にいうなら「グループ移動」が正解。少なくとも我が職場では。

そんなうちの職場でね、滅多にないんだけど。

夜勤明けで仕事してるところにふらーーーーーっと施設長が寄ってきて一言。

「後で施設長室に来てね」

いやー。俺なんかしたかなぁ・・・。いや、心当たりがあり過ぎて正直検討が付かない。サブリーダー2年目で細かいやらかしはソコソコやってるから、それのお叱りかなぁ・・・と思っていた。一応課長に施設長のとことへ行くち言うと

「ふん。早く行ってきなさいな」

いや、そんなキャラだったかなぁ？

とりあえず仕事がひと段落したところで施設長室へ突撃。

怒られるのかな～と戦々恐々して中に入ると、そこには事務長も居た。

この時点で嫌な予感がする。

ソファーに座る事を勧められ、言われる通りに座った時点で逃げ場はない（失礼）。

そこで施設長から一言。

「デイサービスへ主任（課長）として行って欲しい」

・・・

はい？異動ですか？

ちょ、ちょっと考える時間が欲しいのですが・・・。

嫁と相談させて欲しいのですが・・・（実は結婚済み）。

「しっかり相談しておいで。はい以外の返事は聞かないから。」

それ、拒否権ないですやん・・・。