第6話 夢幻の如くなり

 入社何年目だったかな。多分6~7年目くらい。

資格も取って、何か知らないけど、とあるカチョーに対して敵疑心MAXな毎日を過ごしていたある日。


互助会の会長になってくれ、と打診を受けた。ブチョーさんから。


うちの互助会は基本的に社員旅行の企画立案やら、冠婚葬祭の際にお金を出す役割を担っている。


30代にはいったピチピチの青年介護士に、何故そんな役が回ってきたのかと言うと。


まぁ、多分・・・


野郎どもの飲み会の幹事をずっとやってたからなんだろうなぁ・・・。


人を纏めるのなんて、とても苦手。と言うか、人前でしゃべるのも苦手。何なら、女性と話をする事すら苦手。


あ、仕事の話と家での話は出来るんだけどね。


まぁ、まだでぇベテランが互助会役員でいるからそこは問題なかった。


で、なぜタイトルが「夢幻」なのか。


ここで互助会の会長になったからなのか・・・。


次の年に、何故かグループのサブリーダー(カチョー補佐)になった。急に。何の引継ぎもなく。唐突に呼ばれて。


新しいグループへ異動となり、そこのカチョー補佐になり。


ぶっちゃけ、何していいのやらサッパリわからぬ。何故なら、それより以前にカチョー補佐なんて無かったから。


なのに、と言うと今なら良い訳だと言えるんだけど。


課長補佐の自覚なんぞ欠片もなく。何となく補佐だと言われているから、カチョーさんの手伝いや部下の意見を纏めてカチョーへ上げるんだろうな、と思っていた。


が、当のカチョーさんは「現場統括」と思っていた様で。


そんな意志のズレがあるにも関わらず、その情報が共有されることもなく、カチョーさんは現場統括をするものと思っているから、出来ていない俺を指導する。


俺は現場統括と思ってない(現場統括はカチョーの仕事だろうと思っている)から、反発する。


結果、グループがうまく機能しない。


そんな事やってるから、上からの評価は最低。一年でサブリーダーの座から退きました。と言うか、サブリーダーの役が無くなった。


サブとは言え役職が付いたのは一年だけ。夢幻の如くなり、だった。


後から聞いたら、他のグループのサブも同じような考えでいたらしく、カチョーさんとの軋轢があったとの事。


・・・


報連相って大事だよね!


あ、ちなみにだけど。今はサブリーダーが現場統括で、課長がグループ全体の纏め役であることは理解している。一般職員へは今一つ浸透していないが。

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