第2話 役職付き(部長)と上司(課長)
さて、45歳中年のおっさん介護士だが、こんなおっさんでも需要はある。
力仕事や雑用が多いけど。
勤続20年と言う事は25歳の時に入職した訳だが。その当時はパソコンなんてほとんど使っていなかった。いや、使っていなかった、と言うよりも「使えていなかった」と言うべきかな。
パソコン自体はあるんだけど、有効活用はできていなかった。分かる人にはわかると思うが、日々の記録なんてのがある。この記録が実に厄介で、利用者一人一人の状態を残して行かないといけない。何もないなら「何もない」で良いのだが、何もないと書くと「何かあっただろう」と言われる。
当時は手書きの記録が多く、記録の一部だけをパソコンで入力していた。
学生時代にパソコンを少し齧っていた事と、若気の至りで「使えます」なんて言ったが為に、記録のプラットフォームを作れなんて、役員から指示が入った。
役職付き(一般企業で言うと部長クラスなので、以下部長と表記)。直属の上司のもう一つ上の上司なんだけど。
プラットフォームを作れと言われても、WordとExcelとPowerPointしか使ったことが無い。仕方なくExcelで作ったらえらく感動された。自分達にはそんなものを作る技術が無いとか何とか。
実は結構不便ながら、手書きの記録から形だけのパソコンの記録に変更して行った訳だが、ここで一つの問題が起きた。
お局連中、パソコン使えねぇ。と言うか、使おうとしねぇ。
「えー、そんなん使ったことないから分からないわぁ。あんたやってよ。」
なお、部長からしてこの台詞。
いやいや、部長なんだから勉強しろよ。一般職員の模範になれよ。
と思うが、当時20代の若手にそんな言葉を出せる勇気何ぞある訳もなく。
実際口に出る言葉は「はい喜んで」
・・・いや、喜んでないよ?
そんな感じで、部長からは事ある毎に呼びだれてパソコン関係について動かされた。
で、そんな当時青年介護士であった俺を見て、面白くないのが直属の上司(以下、課長)。課長からすると、自分の上から自分を介さず直接私用(ではないけど、もう扱い方が私用のようなものだった)で度々呼び出すもんだから面白くない。
自分の部下を自分が顎で使おうとしているところに呼び出すなんて(偏見)。
で、言われる訳さ。
「あんたは誰のために仕事してるの」
そりゃ利用者の為に仕事してますよ?
「私が何かしてもらおうと思ったら呼び出されて」
いや、そりゃ知らんがな。部長に言ってくれよ。ぺーぺーには逆らえないんだから。
とまぁ、結構な板挟みに合っていた
勤続1~2年目。
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