第2話
「!!?」
「な、何なのだ!?」
「きゃっ!」
壁一面に映し出されているのは、女は顔が隠されているのでどこの誰なのか分からないが、ヴィルヘルムが『いやっ!止めてっ!』と泣き叫ぶ女を犯しているものだった。
それだけではない。
『私が田舎娘のノルンと婚礼を挙げた時にお前を愛妾として召し上げよう』
『お前が産んだ子供はノルンに我が子として育てさせる。産まれてくる子が男児であれば王子・・・いや、未来の国王、女児であれば王女だ』
『商人の娘如きが産んだ子供が王子や王女になれるはずがないだろうが!まぁ、産まれてくる子供が女であればいずれ母娘で楽しめるな・・・』
『産まれたのは男だったか。ならば殺処分するしかないな』
『今日はこの女で楽しむとするか』
しかも、それ等の台詞は別の女に言っているものであるだけではなく、ヴィルヘルムの側近であるシャルルとカールも主と同じ事をしているのだ。
「ヴィルヘルム様!」
「シャルル様!」
「カール様!」
私というものがありながら下賤な女に手を出すなんて最低ですわ!!!
ヴィルヘルム達のクズなゲス野郎っぷりに、紳士淑女達はドン引きするしかなかった。
『ねぇ?そこの乳を晒している貴女達も王太子達と似たようなものじゃない』
ある意味、貴女達はとてもお似合いよ♡
そう言った精霊王は壁一面に彼女達の痴態を公開し始める。
『今日の男はあれが馬並みに立派で、しかも絶倫だったから楽しめたわ♡』
『シャルル様って早漏で、しかもすぐに寝てしまうから物足りないのよ。これは、明日の乱交パーティーで発散しないといけないわね♡』
『カール様との間に出来た息子の初めての女は母親である私で、自分好みに育てて楽しむのもありだわ♡』
「ルミナ!」
「エトラ!」
「ベローナ!」
自分の事を棚に上げたヴィルヘルム達がルミナ達を責め立てる。
『やだぁ~!アタシ、とんでもないミスをしちゃったわ!』
「精霊王様、どうかなさいましたか?」
『実はね、ノルンちゃん。王太子達の外道っぷりを
これってもしかして、ヤバくない?
(・ω<) テヘペロな顔をして謝る精霊王に対し、ノルンは問題ないと答える。
「いえ。寧ろ、王太子殿下達の非道さが世間に知れた事で新たな被害者が出てくる未来を防げたのかも知れません」
『そう?だったらアタシはいい事をしたのね?』
「はい」
『ところで、王太子に国外追放の命令をされたノルンちゃんが何時までも王宮に居るのはおかしいわね』
「そうですね」
王太子殿下、改めて御前失礼いたします
ヴィルヘルムに美しいカーテシーをしたノルンは王宮を去って行く。
その時に浮かべたノルンの微笑みは清らかでありながら艶やか、そして華やかで晴れやかなものだった。
「!?」
(私の婚約者は・・・あんなにも清楚で優雅な気品に満ち溢れている令嬢だったのか?)
初めてまともに見たノルンの微笑みにヴィルヘルムの胸が高鳴る──・・・。
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