第54話6-3 プーティ新聞社

6ー3 プーティ新聞社


『カピパランド』と観光都市 カンパニュラの領主となっているカヅキ兄さんは、最近、新聞会社を始めた。

カヅキ兄さんの始めた『プーティ新聞社』は、情報に飢えていたこの世界の人たちに熱烈歓迎された。

この新聞は、主に『カピパランド』のニュースが載っているのだが、一部に、カンパニュラの街にある劇場の俳優たちの話や、歌姫サリアの記事も載っていて、受けていた。

あと、この新聞には、この世界初の小説が連載されていた。

これは、実は、カヅキ兄さんが書いているものだ。

『悪役令嬢アメリアの午後』は、爆発的に人気が出て、カンパニュラの劇場でも上演されていた。

僕らは、ドライアドを使った通信設備を国中に張り巡らせていっていた。

それを利用して、ラジオ放送を始めたのだが、その中で流されたこの国初の、ラジオドラマは、カヅキ兄さんの書いたこの『悪役令嬢アメリアの午後』だった。

ラジオ放送は、大流行し、どこの食堂や、酒場でも歌姫 サリアの歌やカヅキ兄さん作のドラマやらが流されていた。

兄さんの頑張りのおかげもあって、『カピパランド』は、大人気で、国中の子供たちの憧れの夢の国になっていた。

戦争は、まだ、続いていたが、魔界へとカスケード王国の軍隊が進軍できなくなって以来、休戦状態だった。

実は、カスケード王国と魔界の間に透明だが、すごく強力な障壁が張られたために、どちらからも行き来できなくなってしまったのだ。

僕以外はね。

僕だけは、この障壁を通過できるのだ。

理由は、もちろん、この障壁を張ったのが僕だからだ。

こうしておけば、少なくとも、しばらくは戦争にならないだろ?

魔界とカスケード王国の間の物流は、止められることはなかった。

僕が、ストレージに入れて運んでいたからね。

二国間では、かつてないほど、交流が深まってきていた。

それは、文化や魔法などの技術でもあったが、人と魔族の交流も少しづつではあったが、行われるようになっていた。

すべては、僕のストレージの中で。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る