第53話6-2 魔界の花
6ー2 魔界の花
オルガとフランシス、もとい、アリアは、魔法学園を追放されたため、魔界の魔導学園に転校することになった。
しかし、猫耳族のオルガはともかく、人間のアリアが入学できたのは、魔王アルゼンテの口添えがあったからだった。
アリアは、クラスメートたちにいろいろ言われていたみたいだけど、それも彼女の実力が知れるまでのこと。
もと騎士団長の彼女に剣はもちろん、魔法でも敵うものはなかなかいなかった。
しかも、 彼女は、光属性の力を持っていた。
アリアは、魔界において聖女の認定を受けたのだった。
「魔界で認定された最初の聖女やな」
アルゼンテは、明るく笑った。
「ほんま、奇妙な話やけど、おもろうてええわ」
今のアリアは、もう、決して男の子には見えない。
フサフサの長い栗色の髪を肩までで切り揃えて淡いブルーのリボンを結んでいる彼女は、『魔界の聖女』とか、『光の聖女』とか言われている。
だけど、なんてことはない。
ただのかわいい女の子だ。
魔導学園の紺のブレザーにチェックのスカートという制服がよく似合っている彼女は、今では、『魔界の花』とも呼ばれていた。
あっ。
この学園の制服は、『カンパニュラ』グループのアパレル部門でデザインしたものだ。
『カンパニュラ』グループでは、新しく着心地のいい綿や絹の衣服を作って売り出していた。
今までのこの世界の服は、ごわごわしてて重い感じがするものが多かった。
今度売り出した軽くってさわり心地のいい綿や、絹の布地の服は、人々に受け入れられた。
特に、貴族たちは、絹でできたオートクチュールの服に夢中になった。
それにあわせるようにして、僕は、靴も開発した。
しっかりとした履き心地で軽くって、どこまでも歩いていける様な気がする靴。
これは、特に、冒険者たちに人気があった。
それ以外にも、女性用の踵の低い靴とかを作っているのだが、これも、人気だった。
コンセプトは、『働く女の靴』だ。
これは、アリーやフローラさんの意見を取り入れてできた商品だった。
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