第6話
「楓か。どうしたなにか用か?」
わざわざラノベを読んでいるときに来るってことは用があるときだろう。なにかやってるときになにもないのになにかを話にきたりはしないやつだからな。
「昨日の告白を見たんですよぉー」
「なに慰めにきてくれたのか?」
今そんなことをやられるとうっかり惚れちゃいそうだからやめてほしいんだが。でももしかしたらあえて傷心中を狙ってきてるってコタは俺のことを好意的に見てるのか?義孝がいなくても話しかけてくれるし。これはもしかして勘違いじゃないこともあるか?まぁそんな簡単に好きにはならないが。
「まぁそんなところですねぇー」
「それでどうやって慰めてくれるんだ?」
こいつは同じ学年だが飛び級でこの学年で学んでるから年は1個下だ。だから後輩に当たる年齢であるから、年下に慰められるのってどうなんだと他の人は思うんだろうが、俺は別にそうは思わない。だからどうやって慰めるのか注目している。
「ふふそれなら頭を撫でて上げましょうか」
年下に頭を撫でられるのか、あまりない光景だな。たが悪くない。撫でられようじゃないか。むしろ撫でてくださいお願いします。
「お願いするわ。優しく撫でてくれ」
「なんかちょっと気持ち悪いですね。まぁいいですけど」
ちょっと楓ちゃん気持ち悪いはひどくないですか?楓から言ってきたことだろう。確かにちょっとキモいなとは思ったけど。振られたばっかしなんだからそれは結構ダメージでかいのよ。
俺は楓が手でこっちにきてくださいと合図をしてきたので、隣に移動して、俺は撫でられた。ああさすが妹いるだけあって撫でるのうまいなぁー。ああ癒される。好きになっちゃいそう。いや今回は勘違いじゃないかもしれないから流れに身を任すのもいいかもしれない。
「長い時間撫でられてますねぇー」
もう数分ぐらいは撫でられてるかもしれない。そろそろ周囲の視線がいたくなったので、頭を戻した。すると思わずキュンとするほどあざとい笑顔で楓は撫でられてるときの顔は可愛いですねぇーと言ってきた。くそまた恋しちゃう。今までで振られてから最速でな。周囲は珍しいもの見るような視線と明らかに嫉妬した視線がこっちに集まる。
「あ、そうだ勉強見ましょうか?今まで桃井先輩に見てもらったみたいですが、これからは見てもらうわけにはいかないですよねー」
あの人教え方うまいから正直まだ教えてもらいたいが、振られたからなぁー。そいうわけにもいかないし、楓は飛び級するほど成績いいから教えてもらうのもありかもしれない。
「そうだな、テスト週間になったら頼むわ。それでお礼はなにがいい?」
何事も対価は必要だ。無償ほど善意に甘えるものはない。桃井先輩に教わったときもそれを用意していた。ブランドものバックだったが、まぁお金はあるので特に問題はなかった。
「そうですねぇー。アクセサリーの類いがいいですかねー」
「そうかまぁある程度の値段なら出せるからあまり遠慮はしないでいいぞ」
「理くんは驚くほどお金持ってますからね。小説家って夢がありますねぇー」
「俺はデビューしたのが中学生のときでたまたま初作が売れたからな。知名度がついたからそのあとうまくいっただけでほとんどの小説家が大体兼業だぞ。だから稼げる人はそんなにいないからな」
小説家は売れればでかいが、大抵売れない。それだけ厳しい業界なのだ。俺は新人賞が権威ある賞だったから売れたがな。マイナーな賞なら売れなかったかもしれない。それだけどの賞を取るかも重要なのだ。まぁ権威ある賞ほど取るのは難しいがな。
「そうなんですねー。売れるまでか大変って感じなんですねぇー」
「まぁそいうことだな」
すると朝の朝礼がなったので、楓は自分の席に戻った。そして先生が入ってきて寝不足なのか、隈かできていた。やっぱ先生という職は激務なんだな。俺は小説家をやってる方が性にあってるな。働きたくないし。大学には行くがな。教養をつけて、小説にも活かしたいからな。
先生はあくびをしながら連絡事項を伝えた後、外に出た。生と達は次の授業の準備をする。確か現国か、そこそこ得意だから授業はちゃんと受けるか。数学だったら寝るがな。
来週からテスト週間に入るが、ピッチングはやっておいた方がいいよな。一週間投げないでいきなり試合で投げるとなると肩や肘を痛める。
それだけ肩や肘はデリケートなのだ。走り込みもするよ。スタミナを落とさないためにも。下半身を強化するためにも。
そして授業が始まり、適当にノートを取りながら、文章を楽しんだ。学校でやる現国の文章って面白いものが多いからな。それに言葉の意味を覚えられる。
そして授業が終わり、4限まで終わったので、俺は昼食を買いに購買まで行った。それにしてもこの学校購買人気だよな。学食ができたらもっと人気になって志望者数も増えるんじゃないか。学食ができたら俺も使うし。そんなことを考えながら焼きそばとフレンチトーストを買った。そして中庭に向かった。今回はなににも巻き込まれないように願いながら。
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