第4話

体育館裏に着くと、俺はそこでそわそわしていた。いつも告白するときは緊張するものである。うまく行かない関係なしにね。今日で彼女なし年齢に終止符が打たれると思うと喜びでうち震えそうだ。そんなことを考えてると桃井先輩が来た。


「それで話ってなにかな?」


「俺と付き合ってください」


俺は頭を下げて手を出した。だがいつまで立っても握られる様子がない。あれ?何でだ。ここで俺の予想ならよろしくねと笑顔を向けられるはずなんだが。俺は恐る恐る桃井先輩を見ると、申し訳なさそうにそれでいてやっぱりかという顔をしていた。


「ごめんね。私近江くんが好きなんだ。もしかしたら優しくして好きかも私が好きかもしれないと勘違いさせちゃったかもしれないけどそいうことなんだ。野球頑張ってね。それじゃ」


桃井先輩は足早に去っていった。俺は呆然とするしかなかった。また勘違いして振られたのか。またいつも通りか、何でみんな義孝を好きなんだ。あいつはいいやつだから否定はしないが、だからと言っていい顔したいからと言って俺にも他の人より優しくするのはやめてくれよ。モテない俺からしたら勘違いしかしないだろ。


そのあと部活にもでたが集中力が欠けていて、真ん中にボールを投げまくってぼこぼこに打たれた。それから家に帰ると、自炊するきにもなれずコンビニで適当に夕食を買い過ごした。


俺は食べ終わり、ベットに横になると悲しさで涙がでてきてしまった。 


「何でいつもこうなんだよ。一人ぐらい振り向いてくれてもいいじゃないか。くそっ好きになるたんびにこんな気持ちになるなんて、これがアニメの脇役の痛みでもあるのか」


今日はなにもやるきにもなれず風呂に入ってそのまま寝た。


そしていつも通りの時間に起きると、朝食を作りそれを食べて家を出た。寝て少しはスッキリした完全には割りきれてないが。まぁずっと振られてきたからすぐに振りきれるだろうけどな。


そして用意を終えて、俺は家をでた。そしてチャイムを押した。ちなみに自炊をしてる通り俺は独り暮らしをしている。義孝は妹と二人暮らしだか、義理だし、花怜の気持ちも分かっているから間違いが起こったら大変だと思うんだが、花怜のごり押しで親が折れたらしい。そして理由をつけて許可をした。俺が見張ることに。元々学校が遠くて独り暮らしを考えてた頃だったから俺の親が許可を出して、同じアパートに暮らすことになった。お金は小説家として稼いでいるし、親からも仕送りをもらってるからかなりの金額があるから楽なんだが。


朝は作ってる理由は外で買うのが面倒だからだ。昼は購買に行くだけだから問題ないんだが、夜は帰り道で材料を買うからな。わざわざ買うために外に出たりすることはない。それに今週からテスト週間に入るから朝練はない。午後練も今週で一旦終わり、来週からは部活関係なしに午後練は休みになる。だから土日は家で過ごすことになる。


バイトも学校から休んでほしいという指示が出るくらいだ。まぁこれは個人の自由だが。実際に義孝はバイトに行ってるしな。花怜が使うお金のために稼いでるらしい。妹思いのいい兄だな。俺にも妹がいるが、あいつはそもそも好きな人が俺ではなく違うやつだから、そこまで思いれはしてない。


まぁそんなに優しい兄だからブラコンになったんだろうが。主人公自体が妹に優しいよな。つまり義孝が妹に優しいのも必然か。


そんなことを考えていると、義孝が出てきた。


「おはよう。なんか目元が赤いが大丈夫か?」


「まぁその理由は駅に行きながら話すわ」


ここて話すと長引いて遅刻しそうだしな。それに桃井先輩を待たせるのも悪いしな。後は早めに言っておかないと、義孝に気を遣われて、俺と桃井先輩の共通の話題を出して、無理矢理話をさせそうだしな。


「分かったよ。とりあえずもう行こうか」


なにかを察したのか、義孝は花怜といちゃいちゃすることなくすぐに花怜と行ってきますのナデナデをした。やっぱりいちゃいちゃしてたわ。あれだブラックが飲みたい。朝から失恋した相手に見せるものじゃないだろ。


それでアパートを出ると、義孝は本題を切り出してきた。


「それで大体察したが、理由は?」


「簡潔に言うと振られた。理由は言えないが」


本人の前で好きな人がお前だからだとか言えるはずないだろ。桃井先輩のためにもな。幼馴染みが自分のせいで振られたという負い目も持ってほしくないしな。


「やっぱりか、理由はいつも通り伏せるのかい」


「これは個人のプライバシーに関わることだからな」


「そうか、それで事前に言ったのは気を遣って二人きりに会話をして欲しくないからかい?」


「まぁそいうことだな。それでまだ聞きたいことがあるか」


「ないよ。それじゃなるべく二人きりの会話にしないようにするさ」


「そうしてくれ。、、、、桃井先輩の幸せのためにもな。悪いな花怜俺は自分の好きな人だった人を優先するからな」


「なにか言ったかい?」


「いやなんでもない。そろそろ駅に着くな。毎度のことながら振られた後は緊張をするものだな」


まぁ義孝には縁のないことだろうがな。好きになったら必ず落としそうだな。むしろこいつが本気になって落としに来るところを見たいまであるな。


「その気持ちは分からないけど、告白してきた相手のことを気を遣う気持ちは分かるけど」


そりゃ数回とはいえ義孝は振っているし。気を遣うこともあるだろう。まぁ振られたら大体の女子は諦めていたが、周りに諦めが悪いと見られるのを気にしてるだろうけど。そんなことを考えていると駅に着いた。

















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