10 秋保視点

「それで、秋保ちゃんはどう思ってるの?」


「そうよ、あの秋保が男とデートなんて意外以外の言葉が出てこないわよ?」


デートした翌日の日曜日。

柚葉と結衣とカフェで雑談をしていた。


というか、私への事情聴取みたいなものだけど……。


「どうって……」


「顔真っ赤だよ?」


「まっさか、あの秋保がチョロインとか言わないわよね~?」


「わ、わるいっ?!」


「ちょ、逆ギレは聞いてない!」


仕方ないでしょ!?

好きになっちゃったんだから!


私の目では富樫先輩はかなりの好青年にしか見えないのよ!

盲目状態に感づいてるのにフィルターが解除されないのよ!


頼んだパンケーキを一口放り込む。

クリームの甘味が口に広がっておいしい。


「そういうあなた達はどうなのよ?」


結衣は結構うまく行ってるらしい。

でも、一線は超えたが、付き合うまではいってないらしい。


かくいう柚葉は……。


「う、ウチは特に……」


「「ふぅん……」」


「な、なによ!無理矢理抱かれたくらいであんなやつ好きになるもんか!」


「「わかりやすいわ~」」


というか、ほぼ確定でしょうね。

まさか、2日連続で学校をサボるとは思わなかったもの。


まさかとは思って富樫先輩に聞いたら、案の定一緒に居るっぽいって言ってたし。

結衣も裏を取ったみたい。


「やることやってるのね……」


「ちょ、それはウチだけじゃなくない!?結衣だってヤルことヤッてんじゃん!」


「恥ずかしいからそんな大きい声で言わないでぇぇ……」


「……ねぇ、もしかして私って魅力ない?」


だって、二人はその日のうちなんでしょ?

まぁ、ガッツリ来られたら殴ってたと思うけど……。


「秋保は硬派だからね~。相手からだと……ね?」


「そ、そうだね……」


ここまで来ると自分の性格を呪いたくなるわね。

ちょっと……いえ、結構そういうことに興味はあるのだけど……。


「ムッツリスケベ……」


「ゆ~ず~は~?間違って手が滑っちゃいそうだわ」


「ちょ、その拳下ろして!……いっそ、色仕掛けでもしてみたら?」


「はしたない子だと思われちゃうじゃない……」


エッチな女の子のことを富樫先輩は受け入れてくれるだろうか?

女子に耐性のない先輩だし、グイグイ行き過ぎるのも……(言い訳)


「そういうとこよ。まぁ、初デートで生足出していくとは思わなかったわ」


「おかしかったかしら?」


「秋保ちゃんのいつもの恰好を思い出してみて……」


どんな格好してたかしら?

デニムパンツとかロングスカートとか……。

あ、あんまり肌を露出したことってなかったわね……。


「無意識ムッツリ……」


「柚葉~?ここの支払いは柚葉のおごりね」


「ちょっとっ!?金欠だから許してぇぇ!」


結局、二人に揶揄われ、私のお代は結衣が出してくれた。

そのあと、軽くカロリー消化のために散歩をしてから解散。

幼馴染なので家は近いので、話そうと思えばいつでも話せるからね。


「高1で純潔を残してるのって遅くないよね?」


結構高1で失くしている人が多いって柚葉の持ってた雑誌に載ってた気がする。

でも、押せ押せのギャルっぽいモデルの雑誌だしな~。


お母さんにさりげなく聞いてみようかな~。

夕食時、お父さんが遅くなるとのことだったので、聞いてみることにした。


「お母さんってお父さんといつ結ばれたの?」


「急にどうしたの?好きな人でも出来た?」


なんで、こういう話をすると絶対に好きな人が出来たのか疑ってくるのだろうか……。

まぁ子供のことだったら割と親はわかるっていうものね……。


「遠からずも……って感じかな?」


本当は大好きだけどねっ。

手を握られた時とか、心臓爆発しそうだったもの。


思い出しただけで鼓動がはげしくなっちゃったじゃない……。


「ふぅん……。お父さんと出会ったのは中学で同じクラスになった時かしら?」


「同じ中学出身だったんだ?」


「そうなの。偶々文化祭の実行委員が一緒になって、それから色々あったわ~」


「そ、そうなのね……」


話が長くなりそうだわ……。

案の定話が長かった。

惚け話に胸やけがすごい……。


「っと、話過ぎたわ。それで秋ちゃんの好きな人の話よね?」


「……誰も好きだとは言ってないわ」


「もう、お母さんの子なんだから言ってるようなもんでしょ?」


「……ばか」


冷えたみそ汁を飲み込む。

その際にわかめも飲み込んでしまい、喉に引っかけて咽てしまった。


「汚いわね~」


「ごめんなさい……」


「それで、お母さん、相談乗っちゃうわよ?」


言わない……ってのは無理そうね。

嘘と本当を交わらせて相談してみよう。




「……」


「富樫君って言うのね~」


ついつい話過ぎてしまったわ……。

お母さんのペースに乗せられていらないことを口走ってしまった。


「そういえば、お母さんの知り合いの理容師に富樫っていう人いたかもな~。息子がいるって言ってたし」


「そうなの?珍しいこともあるものね」


富樫って苗字あんまり聞かないものね。

最初どんな字なのか想像できなかったわ。


「ん?お母さんって美容室じゃなかったっけ?」


「最近、お母さんの同級生に勧められて通ってるのよ~。安いし丁寧でいいのよ~?」


「そうなの?どこの理容室なの?」


「ちょっと遠いけど、3駅離れたところね~」


え、それって……。

もしかして、もしかするかも……?


丁度、髪切りたかったし、行ってみようかしら……。






~~~~~~~~~~~~~~





ちょっと矛盾箇所出ているかもしれないので色々修正するかもです。

あと次の話で簡単なプロフィール出しますね~。

読み返してみたら、まったく情報なかったからね……。

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