四谷軒「Under the Storm ~ a falling persimmon hut ~」
・四谷軒「Under the Storm ~ a falling persimmon hut ~」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093078489259422
芭蕉の弟子のひとり、去来は京都の嵐山にまだ名前を付けていない草庵を構えていた。ある秋の日、去来に草庵の庭に実った柿を売ってほしいと申し出る商人が現れた。一つの草庵の名前の由来から、過去と未来までを一望した、歴史短編小説。
四谷さんが、今年度三回目の同題異話参加していただきました。二〇二一年度も皆勤賞でしたが、今回も本当にありがたいです。
本作は、作中舞台がほぼ一拠点という、「静」の作品となっています。四谷さんの作品は、かっこいいアクションのある作品も多いのですが、こちらももちろん魅力的です。あえて、「Under the Storm」というタイトルに、「静」のお話で参加したのが、ハイセンスで痺れました。
そして、この作品は、「去来が草庵の名前を決めるまで」の物語なので、なんと名付けたのは、もちろん表記しません。ですが、読み終えてから、この草庵名を検索してみることをお勧めします。私はなんだか感動しましたよ。
この去来さん、なかなか興味深い性格をしていますね。見ず知らずの相手に、柿を売ろうと決めたり、元々は武士だったのに、一つの出会いで俳人に転向したり、頑固な俳人と一緒に句集を作ることを、大変そうだと思いながらも楽しみにしていたり。人とのやり取りを、苦にしないタイプのように感じ取れました。
誰かとの交流が、何かを生み出す。それが分かっていても、なかなか実行できないと思います。だからこそ、江戸時代の濃厚な人間同士の交流の中で、見えてきたものが、とても尊く映りました。
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