下東良雄「Under the Storm」
下東良雄「Under the Storm」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093078507192773
幼いころから、そばかすだらけの顔をからかわれ続けた「私」は、様々な裏切りと悲しみが続く半生を送っていた。何もかもを諦めたまま高校生になった「わたし」に、ある出会いが……。過酷な人生を歩む少女による独白形式の現代ドラマ。
下東さんは五月号の「いつまでも輝く母へ」に引き続いての参加です。こちらは書簡形式のお話で、意外なオチが印象的でした。
「いつまでも輝く母へ」が変化球なら、こちらは剛速球です。「嵐の下」のような人生を歩む少女の独白で、彼女の心持、自分自身や周囲への恨みつらみをつらつら述べています。
具体的なエピソードで彼女の半生が語られるので、何度も「うわあ……」と言いたくなりました。人によっては、「ここが一番つらいよポイント」が変わるかもしれません。ちなみに、私はお母さんが出てくるシーンです。
そんな彼女にも、新たな出会いがあって……というところで、物語が締めくくります。とても気になるのですが、下東さんの『コンプレックス ~心に傷を抱えた少女の一年間~』という一作のスピンオフだと聞けば納得です。本編は七万文字以上あるので、これを二千文字にまとめた手腕も素晴らしいです。
伝えそびれていましたが、こちらは『第55回「2000文字以内でお題に挑戦!」企画』のお題「夕方5時のリズム」と三題噺のテーマ「幸福」「破裂」「作業」自主企画の参加作品でもあります。私は最高二つのお題系自主企画しかやったことないので、三つもできるなんて……と、啞然としちゃいます。すべて回収して、奇麗にまとまった短編でした。
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