尾八原ジュージ「いつまでも輝く母へ」
・尾八原ジュージ「いつまでも輝く母へ」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093078374670208
地球から遠く離れた「ノコロ星」からやってきた「わたし」。その不思議な生態と、自身の母親について語ってくれた。「わたし」が答えたインタビューによって構成されたSFショートショート。
『みんなこわい話が大すき』の作者であります、尾八原さんにまた参加していただきました。「真新しい靴がステップ」では、架空の動物の話から、その寓話性に深く考え込む内容でした。
「いつまでも輝く母へ」もノコロ星人たる存在が出てきます。どんな人物かということは本編で読んでもらうことにしまして、その唯一無二な生態に、一瞬に心を捕らえられました。
こちら、インタビュー本文だけの構成でして、「わたし」がどんな姿をしているのかは一切分かりません。それが、川上弘美さんの『大きな鳥にさらわれないように』に収録された短編「インタビュー」を思い出しました。こちらも、人間とは全く違う生体の存在にインタビューする内容で、それを読み進めるうちに、その存在について知ることが出来ます。
ノコロ星人の身体感覚はどのようなものなのか、地球に来る前はどんな生活を送っていたのかは、全く想像もできないのですが、しかし、共感できるものも多々あります。それは、母親への愛情です。「お母さんを思う気持ち」の真摯さは、全宇宙共通なのかもしれません。
そんな風に思えるのは、「わたし」の言葉もそうですが、語り口によるものも大きいです。その慎み深さから、「いい人だろうなぁ」と無条件で信じたくなります。作品によって、語る相手の口調を変える、中々できることでないので、個人的な話ですが、目標にしたいです。
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