新巻へもん「いつまでも輝く母へ」
・新巻へもん「いつまでも輝く母へ」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093076594057999
地方から東京の大学に進学し、一人暮らしを始めたタカシ。しかし、理想とは違い、孤独感にも苛まれる彼の元に、大きな荷物が届く。上京した青年の等身大な生活と母の愛をストレートに描いた現代ドラマ短編。
『酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う』が代表作の書籍化作家、新巻さんにまた参加していただきました。プロとして忙しい日々を送っているはずですが、こまめに同題異話参加作品もチェックしていただいている様子で、本当に本当に有り難いです。
本作は、非常にストレートなお話です。どんでん返し、ファンタジー展開、全く無しです! ですが、悪い意味ではなく、「こういうのでいいんだよ、こういうので」と言いたくなる一作です。
タカシ君の生活の描写で、彼が結構神経をすり減らしているのが伝わってきまして、中々に辛いものがあります。都会の人はみんな冷たい、とは言いたくないのですが、でも、弱音の一言二言、三言四言を言いたくなってもしょうがないと思います。
「五月病」を名付けた人は誰だか分かりませんが、なんだかぴったりな状況に思いました。新生活の期待感が、日常に変わり、現実に打ちのめされ始める時期、そんな印象です。
だからこそ、お母さんからの荷物と言葉が身に沁みます。「夏に着る着物を貰った。—―夏まで生きていようと思った」という太宰の名言がありますが、明日よりも先のことを考えられるというのは、良い傾向なのでしょう。美味しいもの食べて、頑張れ、タカシ君!
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