あとがき —高校部長

筑駒文藝部

本文

 こんにちは、文藝部高校部長です。高波晴朗っていうペンネームで物書きの端くれをやっています。Air Mail 第34号、如何でしたでしょうか。楽しんでいただければ幸いです。

 これを読んでいる貴方は今誰でしょうか。文藝部の新歓部会に足を運んでくださった新入生の方でしょうか。戯れに部誌を手に取って下さった筑駒在校生の方でしょうか。それとも、後から学生時代を懐かしんで読んでいる貴方でしょうか。どの貴方にも届く文章を書けたなら、我々にとって望外の喜びです。

 さて、前置きはこれくらいにして、先ずは文藝部への入部を考えている貴方に向けて、少しでも入りたくなるようなあとがきを書こうと思います。

 私はこの四月に高二へと進学し、この文藝部の部長となりました。実のところ、それは私がこの部活に入ってから半年の事です。正直私

に部長の器があるのかよくわかっていません。でも、優しい先輩からの引継ぎや頼もしい後輩からの助力があり、いまあとがきを書くことができています。

 今、なんかつまんねぇ文章だな、と思いました?はい。私も思います。当たり前です。高々十七年生きて、高々半年創作活動してる人間の文章なんてそんなもんです。もう丁寧語を使うのも止めようか。

 俺はいつも小説を読むと無力感に打ちのめされる。この作者が書いた表現に、文章に、展開に、少しでも匹敵するようなものなんて、どれだけ時間をかけようが書ける気がしない。当たり前だよね?知識も経験も、多分センスだって圧倒的に届かない。俺が書くものなんて、電子ゴミにすら等しいんじゃないかとさえ感じる。

 でも、小説を書くのはとても楽しかった。他の部員の作品にもっと面白いものがあって、義務感だけで書き始めたみたいなもんだったけど、それでも楽しかった。

 多分貴方も同じだと思う。どうしようもなく読むのが、書くのが、つまり文章が大好きだから。こんなとこまで読んじゃってるんじゃない?

 だったら、なにも躊躇う事は無い。書いちゃえって。そして書いちゃったなら皆に見せちゃおう。きっとそっちの方が楽しいから。ここにちょうど文藝部なんていう都合のいい部活があるんだから。

 と、いうことで。私はなんとなく生きていたら部長になってしまって、多くの人に助けられひいこら言いつつ頑張っています。貴方も、なんとなくで良いんです。普段からぼんやり空想を貯えつつ、たまに湧き上がってくる創作衝動に身をゆだねて書いてみてください。ついでに文藝部で共有してみてください。この部での活動は貴方の学校生活に砂糖一粒の刺激と味わいをもたらしてくれるでしょう。

 それ以外の貴方に向けても一言だけ。

 私たちは何のために創作をするのでしょうか。その答えの一つに、楽しむため・楽しませるため、というのがあると思います。

 これを読んでくださった貴方は楽しんでいただけたでしょうか。

 私たちの楽しさを感じていただけたでしょうか。

 先ほど書いたことではありますが、それを感じ、さらに創作の楽しさを思い出していただけたのならこれ以上嬉しいことはありません。

 最後に、このAir Mail第34号に関わって下さった全ての方にお礼を申し上げます。たくさんの作品を寄せてくださった部員の皆さん、的確なアドバイスを下さった先輩方、多くの手伝いをして下さった顧問の先生方、そして手に取って下さった全ての読者の皆様に、最大限のお礼を申し上げます。

 それでは、ご縁があったらまたお会いしましょう。

二〇二四年四月某日

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