エピローグ

PM 0:00 すすきの


 ――――――――それから3年が経った。


 あれからラフィラは完全に解体され、そこから2年間の間に貴方な商業施設が建設された。所謂建て替えである。

 それあってか、3年ぶりにこの地に新しいデパートが出来れば、誰だって来るだろう。


「すごい人だね〜。今日は木曜日のはずなんだけど」


「それほど、みんな楽しみだったみたいですね。それに、ホテルも併設されているみたいですよ」


 二人は、その建物と人だかりの多さに圧巻されている。そんな2人を見ていると、私はふと上を見上げた。

 彼女が見ていた気がして、上を見上げる。何やら、笑顔をしていたみたいだ。


「姉さん?」


「いや、なんでもない」


 ラスティアは、私の方を振り向く。どうやら、私の方を見て何かを心配している。私は何事もなかったかの用意に振り向いた。

 デパートの中に入ると、開店したてなのか、内装が綺麗だった。だが、どうやら3階だけはまだ開店していないようだ。

 私たちは、買い物をしたり、食事をしたりして時間を潰した。


 そして、なんだかんだで時間が過ぎ、気がつく頃には時刻は5時になっていた。


「いや〜。久々に遊んだね」


「はい。こんなに服、買っちゃいましたよ」


「やれやれ、結構使ったよ」


 私は財布を見る。札束もそうたが、クレジットカードも相当使ったようだ。さすがに、支払額が怖くて仕方ない。

 みんなで歩いてると、ふと寄り道をする。


「すまないが、先に帰ってくれ」


「何? またあれのところ?」


「まぁ、そんなところ」


「わかったよ。姉さん」


 私は2人と別れ、とある場所へと向かった。


 しばらく歩き、地下のフロアへ着く。すると、とある看板が目に入り、その扉に入る。


「なんだ? 貴様が来るとは珍しいな」


「この街に住まわせてるんだ。来ない方がおかしいでしょ?」


 緑髪の魔術師が、魔具をいじりながら私に話す。

 なぜここに来たかと言うと、彼女に渡していた魔具を取りに来たからだ。


「頼まれた魔具、初期化クリーニングしといたぞ。全く、何に使うのやら」


「ありがとう。別に使わないさ。ただの趣味だよ」


「こっちとしては、いい気分ではないな。お前達魔術師のために作った魔具だろうに」


「まぁ、使えそうなものは、明日香にあげるさ。それより、こっちではどうなの?」


「相変わらず、自由にやってるさ。誰がか躾しないのが悪いだろ? おかげで、お前のご友人様に、目を付けられてるぞ。私は」


 彼女の話を聞くに、『仮面の魔女ジャンヌ』が目を付けているらしい。どうやら、明日香絡みであろう。


「まぁ、彼女には私の方で伝えておくよ。それに、君も『特級魔術師イレギュラー』なんだ。リリィに動かれると厄介じゃない?」


「心配するな。あの小娘には、うまく伝えてるさ。それに、お前だってそうだろう? 『魔女』よ。あれから3年、厄介なことは多かれ、まだ残っているであろう?」


「そうね。まだやる事は多いが、今はまだ問題ないでしょ? それに、君がいなきゃ、彼女の世話を任せられないし」


「人を保護者みたいに言うな。それと、さっさと帰ってくれ。私にはまだ魔具の処理があるんでな」


 彼女は、私に帰るようにいう。私も、特に用事はないので、帰る事にした。


「それじゃまたね、リリム。また何かあったら頼むよ」


「また会おう。『魔女』よ」


 リリムの無愛想な返答に、私は扉を閉める。時刻は七時となっている。そろそろ帰らないと、ラスティア達に迷惑をかけるだろう。

 こうして、私は煙草を吸いながら、帰路に着くのだった。


 ――――――――魔女と俯瞰を彷徨う亡霊 完



――――――――――――――――――――――――――――――――――――













『厄介なことが起きたわね』


『何が起きたんです?』


『咎人の反応よ。それもかなり強いやつ』


『現地には向かえないのですか?』


『今それを、お子様ぎちょうと協議中よ。まさか、ツングースカの辺りで発見されなんてね』


『でしたら、私達だけでも行きましょうよ!』


『それができたら、とっくにそうしているけど、何せかんせ、直々の待機だそうよ』


『もし仮に、彼らだとしたら?』


『相当厄介だわ。彼女をあの街から引っ張ってこないといけなくなる』


『キサラギさんは応じるでしょうか?』


『さぁ? 彼女はそう易々と動こうとしないわ。彼女が動くとジジィ共がうるさいし』


『それもそうですね。セシリアさん。議長からの通達が来ました』


『なんて?』


『『現状、総員経過観察に徹するように』とのことです』


『そう。なら、問題ないわね。無理に動いて、死なれるよりはマシよ』


『そうですね。執行者が全滅なんて、リリィ議長に赤っ恥をかかせるものですから』


『おい! 待ってくださいよ議長!! なぜ、我々に出動させないのですか!?』


『これだから、血の気の多いのは、いいわ、教えてあげる。議長が待機するように命じた咎人について、聞きたいでしょう?』


『えぇ! 是非とも!!』


『いいんですか?』

 

『言うだけ無駄よ。では、説明しましょう。ツングースカに住む咎人、その階級とは――――――――――――――『大罪級』よ』

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【完結済】魔女と俯瞰を彷徨う亡霊 nashlica @nawoc_56

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