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2024年11月7日 22:36 編集済
こっちの連載じゃないですが、先日は丁寧なコメント返し、ありがとうございました。面白がってもらえていたのなら何よりでした w。あんまり整理しないままコメントを書き散らしたという自覚があったので、今回はやらかしてしまったかなと心配になったもので……(基本、小心者です)。同じ欄に追記入れてもよかったんですけれど、こちらの最新話についての話も出てましたので、ここでまとめて書くことにします。あっちこっちの作品でコメントのリレーやる形になって恐縮です 笑。>湾多さんは吹奏楽部出身ということで、何人くらいの団体だったのかは私には分からないのですが、「あの音」の描写とも合わせて、小編成のことを色々知ってもらえたらなと思います^.^私が昔いた部は、まあベビーブームのちょっと下の世代でしたし、部員全員だと余裕で六十人近くいました。が、ここ数年で急速に日本中が中編成以下へとシフトしていってる印象がありますし、にもかかわらず指導法や出版譜がそれに追いついてない感じですので、一部ではこれまでの吹部の常識が前に出せない風潮になりつつありますね。地域統合とかで大編成バンドはそれなりに残りそうですけれど、それでも少子化だし、小編成がデフォルトになりそう。ただ、そのために一方で色んな試行錯誤もできそうで、今もし私が学校の部活指導に関われるような立場でいたなら、それなりに毎日おもろいだろうなと想像したりもします。さて、ここからは改めて今回の祐揮君のトラブルについてのコメントなんですが。実を言えば、初読でコメントしようかどうか迷ったことは迷ったんですよ。元ボントロ吹きとして、どこの記述も気にならないと言えば嘘になります 笑。まあでも素人丸出しの一年二年の会話だし……といったんは考えましたが、作者的にやや迷いもあるようですんで、参考意見としてコメントします。で、話を短くするために核心からいっぺんに申し上げると、トロンボーンを「ピッチの合いにくい楽器」と書くのはやや無理があります。楽器図鑑とか音楽事典なんかには、「トロンボーンはスライドで音高の調整が容易なので、きれいにハーモニーが作りやすい」という説明が頻繁に出てくるほどで、本来スライドという機構はピストンなんかよりもずっと楽にピッチを合わせられる構造、とされておりますんで。件の記述は、多分ですが、「(初心者には)音の高さをキメにくい楽器」という意味で書いておられるんじゃないでしょうかね? であればそれはそのとおりなんですけれど、一方で1ポジション(スライドを伸ばさない状態の位置)で吹く音、つまりB♭とかFとかは、初心者でも確信を持って吹ける音のはず。でも作中ではチューニングB♭でもひどい音、という描写ですんで、これはもう、スライドの位置がわかりにくいとかそういう問題以前の、アンブッシュアとか構え方とか呼吸そのものの問題なんではないかと。……楽器の中身が致命的に汚れていたせいでまともに鳴らなかった、というオチなら、今の時点で作れないこともありませんが w。ですので、私からは話の一部分をいじって、「祐揮君は、B♭とかFならそうピッチもおかしくはないけれど、他の音だとズレ方がひどい」という症状に変更することを勧めます。その状態だと、この回の文章は概ねそのまま使えます。最初のチューナーを使ってるシーンでは、B♭以外の音をチェックしてることにして、「ピッチ合いにくい」というセリフは、「音取りがしにくい」ぐらいの表現に変更すればいいかと。で、基本的に彼の症状の根本はスライド操作がまずいから、というオチにすればよろしい。両手で楽器を持ってるから(トロンボーンは基本、左手だけで楽器を支えろ、と教えられます)、スライドの伸び縮みで楽器が大きく動き、のどを圧迫して音も潰れ気味になるとかね。あと、複合的な事情として、彼の場合、音がズレ気味だから万事に自信喪失気味で、悪循環でスライドの位置取りもなかなか上達しない。結果、必要以上に唇で無意識にピッチを修正しようとして、ますますアンブッシュアが不安定になり、あれやこれやのコンボでロングトーンも安定しないのだ……ということにします。その上で、以上のかなりの部分を花音に解明させれば、まあ「吹奏楽博士」という称号もダテじゃなくなりますね。ただしその場合、花音がかつて読んでいたのは、音楽書と言うよりは吹奏楽専門誌のバックナンバーとかそういう書物のほうがしっくりきますが。ですが、「B♭もFもまとめて全部の音が下ぶれしてる」という症状にしておかないと話が続かない、ということだと、「トロンボーンは音程が取りにくい(音取りがしにくい)」という説明では微妙に筋がズレてますので、花音のセリフを別のものと入れ替える必要があるように思います。現実の症状としては、そっちのほうがよくある話なんですけどね。単純に音程を意識しなさすぎだとか(つまりは音痴)、呼吸がいい加減とか、楽器の構えが下方向過ぎてピッチが下がり気味になってるとか。仮にその線で行くなら、花音を「吹奏楽博士」に仕立てるには……そうですね。「ベルが下向き過ぎてる」→「左手の握り方がおかしくて、楽器を水平に構えられてないんじゃ」→「あ、バランサー(おもり)が取れてる。だから前に重心が寄りすぎてたんですよ」→「何かバランサーの代わりになるもの付けましょう」→「これでしばらく練習続ければ、音も安定してくるかも」――という形で、事態に収拾をつけられれば、「なんでそこまで詳しいの!?」みたいなリアクションも出てくるかと。ただ、このシナリオだと、祐揮君のトラブルは比較的早期に解決してしまう可能性がありますけれど。という、しごく七面倒な説明になりましたけれど、参考になりましたでしょうか。まだ不明瞭な点などありましたら、追記でお答えしますんで、何なりと。あと、こちらの新作をお読みいただいてるそうで、ありがとうございます。音楽小説なんですけれど、一応SFで国際謀略小説ですんで、たぶん「美緒とチューバ」なんかより対象読者層がさらにニッチです w。「AIと音楽」がテーマということで、みなさん興味を持ってもらっているようですが、そっちはそっちで結構音楽史に深入りする内容になりそうで……まあここの部分もようわからんようでしたらいくらでも説明なり解説なり入れますから、遠慮なくご指摘いただければ幸いです。どうぞよしなに。
作者からの返信
コメントありがとうございます!こちらこそ丁寧なお返事ありがとうございますm(_ _)m 湾多さんに『先生』と呼んでいただけるなんて、なんと光栄なことか(笑)>地域統合とかで大編成バンドはそれなりに残りそうですけれど、それでも少子化だし、小編成がデフォルトになりそう。部活動の地域移行も話題になってますよね…私の母校はまだそういう話は出てない(らしい)のですが、すでに近隣の中学の部活は地域移行に向けて進めているそうで、他人事じゃないなぁと感じたり…平和さだけが取り柄のあの弱小部(母校のことですw)も、いつまで耐えれるのやら…あっそういえば、今年は新入生5人くらいしか入らなかったんだっけ…>で、話を短くするために核心からいっぺんに申し上げると、トロンボーンを「ピッチの合いにくい楽器」と書くのはやや無理があります>多分ですが、「(初心者には)音の高さをキメにくい楽器」という意味で書いておられるんじゃないでしょうかね?そうです!その通りです!でもそうですよね、金管楽器ならB♭とFってだいたい開放ですよね。祐揮のモデルとなった同級生曰く、『トロンボーンはピストンとか無くて、自分の腕の感覚だけで音を合わせないといけないからムズい』らしいです。けどそれと音程が悪いのってそこまで関係があるのか…? やっぱりお前(トロンボーン同級生)が絶望的に音感なかっただけだったんじゃ?w(※と言ってる作者もそれほど上手くなかった)※花音を「吹奏楽博士」に仕立てるには……そうですね。おお、中1の花音にそこまで解決能力があったらスゴイw けど、やっぱり作者的には、主人公はダメ(ダメってかポンコツ?)キャラ側にいて欲しいかな…(少なくとも一年生時代の間は)という訳なので、>「トロンボーンは音程が取りにくい(音取りがしにくい)」という説明では微妙に筋がズレてますので、花音のセリフを別のものと入れ替える必要があるように思いますとりあえず花音の『吹奏楽の知識がなんかめっちゃあるヤツ』描写はまた別の機会に回そうと思います。 祐揮の話も、まだまだ引き伸ばすつもりなので…ピッチが悪い本当の理由も、そのときに判明させようと思います。ご丁寧な解説&アドバイスありがとうございますm(_ _)m またトロンボーンについてツッコミたいことがあったら遠慮なくコメントしちゃってください!にしても、本当に湾多さんってめちゃくちゃ音楽関係に詳しくて、本当に尊敬します…これは是非、湾多さんのトロンボーンの演奏も聴いてみたいです^^次回からちょっと執筆するのに覚悟がいるな…がんばろ…
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こっちの連載じゃないですが、先日は丁寧なコメント返し、ありがとうございました。面白がってもらえていたのなら何よりでした w。あんまり整理しないままコメントを書き散らしたという自覚があったので、今回はやらかしてしまったかなと心配になったもので……(基本、小心者です)。
同じ欄に追記入れてもよかったんですけれど、こちらの最新話についての話も出てましたので、ここでまとめて書くことにします。あっちこっちの作品でコメントのリレーやる形になって恐縮です 笑。
>湾多さんは吹奏楽部出身ということで、何人くらいの団体だったのかは私には分からないのですが、「あの音」の描写とも合わせて、小編成のことを色々知ってもらえたらなと思います^.^
私が昔いた部は、まあベビーブームのちょっと下の世代でしたし、部員全員だと余裕で六十人近くいました。が、ここ数年で急速に日本中が中編成以下へとシフトしていってる印象がありますし、にもかかわらず指導法や出版譜がそれに追いついてない感じですので、一部ではこれまでの吹部の常識が前に出せない風潮になりつつありますね。地域統合とかで大編成バンドはそれなりに残りそうですけれど、それでも少子化だし、小編成がデフォルトになりそう。ただ、そのために一方で色んな試行錯誤もできそうで、今もし私が学校の部活指導に関われるような立場でいたなら、それなりに毎日おもろいだろうなと想像したりもします。
さて、ここからは改めて今回の祐揮君のトラブルについてのコメントなんですが。
実を言えば、初読でコメントしようかどうか迷ったことは迷ったんですよ。元ボントロ吹きとして、どこの記述も気にならないと言えば嘘になります 笑。まあでも素人丸出しの一年二年の会話だし……といったんは考えましたが、作者的にやや迷いもあるようですんで、参考意見としてコメントします。
で、話を短くするために核心からいっぺんに申し上げると、トロンボーンを「ピッチの合いにくい楽器」と書くのはやや無理があります。楽器図鑑とか音楽事典なんかには、「トロンボーンはスライドで音高の調整が容易なので、きれいにハーモニーが作りやすい」という説明が頻繁に出てくるほどで、本来スライドという機構はピストンなんかよりもずっと楽にピッチを合わせられる構造、とされておりますんで。
件の記述は、多分ですが、「(初心者には)音の高さをキメにくい楽器」という意味で書いておられるんじゃないでしょうかね? であればそれはそのとおりなんですけれど、一方で1ポジション(スライドを伸ばさない状態の位置)で吹く音、つまりB♭とかFとかは、初心者でも確信を持って吹ける音のはず。でも作中ではチューニングB♭でもひどい音、という描写ですんで、これはもう、スライドの位置がわかりにくいとかそういう問題以前の、アンブッシュアとか構え方とか呼吸そのものの問題なんではないかと。……楽器の中身が致命的に汚れていたせいでまともに鳴らなかった、というオチなら、今の時点で作れないこともありませんが w。
ですので、私からは話の一部分をいじって、「祐揮君は、B♭とかFならそうピッチもおかしくはないけれど、他の音だとズレ方がひどい」という症状に変更することを勧めます。
その状態だと、この回の文章は概ねそのまま使えます。最初のチューナーを使ってるシーンでは、B♭以外の音をチェックしてることにして、「ピッチ合いにくい」というセリフは、「音取りがしにくい」ぐらいの表現に変更すればいいかと。で、基本的に彼の症状の根本はスライド操作がまずいから、というオチにすればよろしい。両手で楽器を持ってるから(トロンボーンは基本、左手だけで楽器を支えろ、と教えられます)、スライドの伸び縮みで楽器が大きく動き、のどを圧迫して音も潰れ気味になるとかね。あと、複合的な事情として、彼の場合、音がズレ気味だから万事に自信喪失気味で、悪循環でスライドの位置取りもなかなか上達しない。結果、必要以上に唇で無意識にピッチを修正しようとして、ますますアンブッシュアが不安定になり、あれやこれやのコンボでロングトーンも安定しないのだ……ということにします。その上で、以上のかなりの部分を花音に解明させれば、まあ「吹奏楽博士」という称号もダテじゃなくなりますね。ただしその場合、花音がかつて読んでいたのは、音楽書と言うよりは吹奏楽専門誌のバックナンバーとかそういう書物のほうがしっくりきますが。
ですが、「B♭もFもまとめて全部の音が下ぶれしてる」という症状にしておかないと話が続かない、ということだと、「トロンボーンは音程が取りにくい(音取りがしにくい)」という説明では微妙に筋がズレてますので、花音のセリフを別のものと入れ替える必要があるように思います。現実の症状としては、そっちのほうがよくある話なんですけどね。単純に音程を意識しなさすぎだとか(つまりは音痴)、呼吸がいい加減とか、楽器の構えが下方向過ぎてピッチが下がり気味になってるとか。
仮にその線で行くなら、花音を「吹奏楽博士」に仕立てるには……そうですね。「ベルが下向き過ぎてる」→「左手の握り方がおかしくて、楽器を水平に構えられてないんじゃ」→「あ、バランサー(おもり)が取れてる。だから前に重心が寄りすぎてたんですよ」→「何かバランサーの代わりになるもの付けましょう」→「これでしばらく練習続ければ、音も安定してくるかも」――という形で、事態に収拾をつけられれば、「なんでそこまで詳しいの!?」みたいなリアクションも出てくるかと。ただ、このシナリオだと、祐揮君のトラブルは比較的早期に解決してしまう可能性がありますけれど。
という、しごく七面倒な説明になりましたけれど、参考になりましたでしょうか。まだ不明瞭な点などありましたら、追記でお答えしますんで、何なりと。
あと、こちらの新作をお読みいただいてるそうで、ありがとうございます。
音楽小説なんですけれど、一応SFで国際謀略小説ですんで、たぶん「美緒とチューバ」なんかより対象読者層がさらにニッチです w。「AIと音楽」がテーマということで、みなさん興味を持ってもらっているようですが、そっちはそっちで結構音楽史に深入りする内容になりそうで……まあここの部分もようわからんようでしたらいくらでも説明なり解説なり入れますから、遠慮なくご指摘いただければ幸いです。どうぞよしなに。
作者からの返信
コメントありがとうございます!こちらこそ丁寧なお返事ありがとうございますm(_ _)m 湾多さんに『先生』と呼んでいただけるなんて、なんと光栄なことか(笑)
>地域統合とかで大編成バンドはそれなりに残りそうですけれど、それでも少子化だし、小編成がデフォルトになりそう。
部活動の地域移行も話題になってますよね…
私の母校はまだそういう話は出てない(らしい)のですが、すでに近隣の中学の部活は地域移行に向けて進めているそうで、他人事じゃないなぁと感じたり…
平和さだけが取り柄のあの弱小部(母校のことですw)も、いつまで耐えれるのやら…あっそういえば、今年は新入生5人くらいしか入らなかったんだっけ…
>で、話を短くするために核心からいっぺんに申し上げると、トロンボーンを「ピッチの合いにくい楽器」と書くのはやや無理があります
>多分ですが、「(初心者には)音の高さをキメにくい楽器」という意味で書いておられるんじゃないでしょうかね?
そうです!その通りです!
でもそうですよね、金管楽器ならB♭とFってだいたい開放ですよね。
祐揮のモデルとなった同級生曰く、『トロンボーンはピストンとか無くて、自分の腕の感覚だけで音を合わせないといけないからムズい』らしいです。
けどそれと音程が悪いのってそこまで関係があるのか…? やっぱりお前(トロンボーン同級生)が絶望的に音感なかっただけだったんじゃ?w(※と言ってる作者もそれほど上手くなかった)
※花音を「吹奏楽博士」に仕立てるには……そうですね。
おお、中1の花音にそこまで解決能力があったらスゴイw けど、やっぱり作者的には、主人公はダメ(ダメってかポンコツ?)キャラ側にいて欲しいかな…(少なくとも一年生時代の間は)
という訳なので、
>「トロンボーンは音程が取りにくい(音取りがしにくい)」という説明では微妙に筋がズレてますので、花音のセリフを別のものと入れ替える必要があるように思います
とりあえず花音の『吹奏楽の知識がなんかめっちゃあるヤツ』描写はまた別の機会に回そうと思います。
祐揮の話も、まだまだ引き伸ばすつもりなので…ピッチが悪い本当の理由も、そのときに判明させようと思います。
ご丁寧な解説&アドバイスありがとうございますm(_ _)m またトロンボーンについてツッコミたいことがあったら遠慮なくコメントしちゃってください!
にしても、本当に湾多さんってめちゃくちゃ音楽関係に詳しくて、本当に尊敬します…これは是非、湾多さんのトロンボーンの演奏も聴いてみたいです^^
次回からちょっと執筆するのに覚悟がいるな…がんばろ…