第四話 陽視点
私は
彼女とは幼稚園の時からの仲で高校も詩乃ちゃんを追って入学した。正直私の学力では難しいと担任の先生からは言われたが、詩乃ちゃんが受験するところを知ってから毎日寝る時間以外は常に勉強をしていた。その結果なんとか受かってまた詩乃ちゃんと一緒にいることができた。大学受験で私たちが受けたところは国内でもかなり受験難易度が高いところだったが、高校受験の反省を生かして勉強を怠らないようにして詩乃ちゃんがどこの大学に行きたいと言ってもついていけるようにしていたため、問題なく合格した。大学は家からでは通えない距離だったので、マンションを借りることにした。同棲したいと思ってお父さんに頼んで二人暮らしができるような部屋を借りてもらったけど勇気が出なくて言えないでいたら詩乃ちゃんは別で部屋を借りてしまった。詩乃ちゃんは私を友達としか思っていないだろうから、このままだと関係が進むことはないと悟った私はネットで情報を集めてみた。しかし出てきたのは水族館デートや遊園地デートとかだった。水族館は2人で中学校の時に行ったし、遊園地は大学に合格して受験勉強が終わった後に行ったがただ楽しかっただけだった。そんな私が絶望して配信サイトで配信を探していた時に出てきたのが百合配信だった。私は気になってみてみると声だけだが女の子が2人しゃべってて時々イチャイチャしだすものだった。私はこれだ!!と思い、急いでPCや機材をそろえてから詩乃ちゃんを誘った。最初は断られたが説得し続けたら了承してくれた。最初はしぶしぶだったが今では楽しんでやっているように思う。配信は夜にやるので土日は詩乃ちゃんが泊まってくれるようになって、夜ご飯と朝ご飯は詩乃ちゃんの手作りが食べれるので幸せだし、夜は抱き枕がないと詩乃ちゃんが眠れないので私が詩乃ちゃんに抱き着かれて寝ることになる。詩乃ちゃんは私より10cm以上小さくてかわいいのでついつい頭を撫でてしまう。普段は許してくれないが、眠くてフワフワしてる詩乃ちゃんは反抗しないので可愛すぎる。しかしこれだけ近くにいても詩乃ちゃんの中で私は親友どまりだった。だから私は配信の質問箱を使って詩乃ちゃんの気持ちを聞き出そうとした。百合配信を行っているので質問もそれに関係したのが多い。そのためランダムに選んでも私が気になる質問が来ると考えた。そして最初の質問はお互いの好きなところを言うというもので詩乃ちゃんの答えは「ひなの全部が好き。」だった。嬉しくて横の詩乃ちゃんを見ると詩乃ちゃんの表情は無表情だった。配信のためのウソなんだと感じてしまった。それがなんだか寂しくて詩乃ちゃんがお風呂に入っているところに突撃した。ひなは最初不服そうにしていたが、髪の毛を洗ってあげると気持ちよさそうに頭をこっちに向けてきた。そのあとは詩乃ちゃんを私の足の上にのせて浴槽に浸かった。詩乃ちゃんはリラックスして私に体を預けてきたので私は私の鼓動が聞こえてないか気が気でなかった。また寝るときは私が抱き枕になったが、全くなれることはなく、1時間くらいドキドキして寝れなかった。詩乃ちゃんは配信した次の日の午前中には帰ってしまうので毎回同棲を誘っているが今日も返事はだめだった。
でも進展はあった。それは詩乃ちゃんの誕生日配信だった。詩乃ちゃんは私が叶える三つのお願いの中で、同棲したいと言った。ずっとダメと言ってきたのになぜいきなり同棲したいと言ったのか理由はわからないが、とにかく嬉しい。そのあとに行ったレストランでやったサプライズでも喜んでもらえたようでよかった。帰りは手なんてつないじゃって、詩乃ちゃんの誕生日のはずなのに私のほうが幸せになってる気がした。
詩乃ちゃんがうちにやってきてからは、さらに幸せになった。朝から詩乃ちゃんに会え、詩乃ちゃんが作ったご飯を三回も食べれる。それに私がサムネイル作りに夢中になっていると、オレンジジュースを持ってきてくれた。大好き。最近また一段と好きになってきている気がした。
もう自制も効かなくなってきて、寝ている詩乃ちゃんの頭を無意識に撫でていた。明日からは大学が始まってしまうので、来週の土曜日に告白することを決めた。
告白をすると決めてからすぐにデートの場所を決めた。詩乃ちゃんには土曜日に出かける許可はとったのでどこで何をするかを考えた。むかし理想的なプランは妄想したことがあったので、大体その通りにデートのプランを組んだ。
デート当日になった。まず行く場所は水族館だ。お互い最後に行ったのは中学ぶりだったので、新鮮味もあって楽しかった。イルカのショーやペンギンの散歩などのイベントもあったが詩乃ちゃんは静かなほうが好きなので静かな館内を周った。お昼をそこで済ませた後は少し移動して海に行き、まだ5月ではあるが今日は暑いので足だけ入って涼んだ。その後、詩乃ちゃんが新しいマイクが欲しいと言っていたので専門店に買いに行った。そうしたら日が沈みかけたので夕日が綺麗に見える橋へ移動した。手は震えているが深呼吸して言い放った。
「詩乃ちゃん、あなたが好きです。付き合ってください。」
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