幕間-2 追憶②
夕飯を済ませた私と
「夏の大三角形……って、なんで大三角形ってなんだろ。三角形でもいいのに」
なんとなく思った疑問を私はつぶやく。
「大きいからじゃない?」
「てきとーじゃん」
小さかったら小三角形になってたのかな、なんてくだらない考えが頭をよぎる。
「星座って割と適当な名前多いんだよね。
「え、星座じゃないの?」
「何とか座って名前じゃないでしょ」
私は思わず「あ……」と声を漏らしてしまった。言われてみればその通りだ。どうしてそんな単純なことを勘違いしていたんだろう、と恥ずかしくなる。夏の大三角形が星座じゃなくなった今、私が他に知ってるのはオリオン座しかもう残っていない。そっちは冬の星座だから、今は見れないけれど。
「星座って何個あるんだっけ。88個?」
「うん、全天88星座。夏の大三角形の星はみんな別々の星座を作ってるんだよね。デネブは
「あれだよね、ベガが織姫で、アルタイルが彦星」
博識な
「……」
そう思っていたけれど、
「
夏の雑踏の中、蝉の鳴き声が響いている。
「……ベガとアルタイルは恋人同士だけど、そこに巻き込まれたデネブってかわいそうだよね。まるで邪魔者みたい」
その中でも
「ごめん変なこと言った。なんでもない。帰ろ」
と明るい声で
帰りの電車の中で、私は眠っていたらしい。気づいたら最寄り駅に着いていて、発車ベルを聞いて目を覚ました。私は慌てて電車を飛び降りる。飲み干したペットボトルをゴミ箱に捨て、駅のホームへと向かう。その途中スマホを開くと、
『家についたよ、今日は楽しかった』
そこにはそう綴られていた。私はそれに返信をする。
『ね、今日は楽しかった!私いま駅なんだけど乗り過ごしそうになっちゃって……』
そこからまた他愛のない話を、私たちは寝る直前までしていた。やがて時刻が0時を迎え、『おやすみ』という
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