好奇心

私は、旅に出たい。この広大な大地に自分の足を踏み入れ、この足で世界各地を見て回りたい。

それが、この世界での1つ目の私の目標だ。

(でも、多分両親は許してくれないだろうな。)

まず私が、今このむらを飛び出して世界を回ったら確実に死ぬだろう。

よって今の私に必要なことは、自分を守れるすべを身につけることだ。

そして多分、一番役に立つのは魔法だろう。前世でロクに運動できなかったから多分私に体術や剣術は向いていない。消去法的に魔法が一番無難なところだろう。今思えば、入院中のほとんどの時期はファンタジー小説読んでいた。私も少なからず魔法に憧れを抱いていた。


自分も物語の世界に入って魔法を自由自在に使いたいと。


もしかしたらそれが実現できるかもしれない。


(よし、まずは試してみよう)

まず万が一の場合を考えて親がいない場所でしよう。もしかしたら怒られるかもしれない。

そういえば前にお母さんが、魔力は体調不良の原因にもなるって言ってた気がする。

(ちょっと怖くなってきた)

でも、この好奇心は抑えられない。そもそも人間というのはおそれを顧みず、前に進むことで発展せてきたではないか。ここで、怖がってたら旅になんて出られない。


で、まず何をすればいいんだ?

もちろん私は魔法を使ったことがないので魔法の使い方なんて当然知る由もないわけだけど、、、

どうしよう。お母さんに聞くとか、いやいや絶対反対される。なにせ私の前で6年以上魔法は見せてこなかった。教えてくれるはずがないか、、


前に読んだファンタジー小説は、確か呪文を唱えれば魔法を発動できたはず。

よし、まずは呪文を探さなくては。魔導書なるものがこの家にあればいいだけど。

もし本がとても貴重なものだったらどうしよう。考えても無駄か。

よし、この家を探索しよう。もしかしたらどこかに隠されているかもしれない。親が私に注意を向けていないときに計画を実行しよう。


あれから数日がたち、そして今日は絶好のチャンスだ。両親ともに出かけている。何やらどうしても外せない用事があるらしい。そういえば、出かける前に母親がこんな事を言っていた。

「ロッテ、今日はお父さんと出かけてくるかおりこうにしててね。夕方には帰ってくるけど、かなりの間家を開けちゃうから、外には出ないでね。万が一の事態が起きてしまったらあなたを守ることができないから」と

6年もの間両親は私を家に残すことなんてなかった。だからこれは今回が初めてだ。よっぽど重要な用事があるのだろう。

流石に私もまだ外に出るのは怖いので家からは出られないが、この家は探索できる。

(魔導書探し、始めますか!)

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