沈丁花禄郎でございます!

のっぴきならない男

第6話

episode6 後編


お蕎麦屋さんを後にした一行は、バスで伊豆の温泉街に到着した。

バスを大きな駐車場に停めて、温泉街を歩くことにした。

目的地の温泉施設に向かう途中、一行は迷ってしまった。そこで誰かに道を尋ねてみる

ことにした。そこで日傘を差したご婦人に道を尋ねることにした。


一行「すみません」

ご婦人「どういたしました?」

一行『湯の泉』という温泉旅館を探してるんですけど」

ご婦人「ああ、それならここを真っ直ぐ行って2番目の通りを右に曲がってください」

一行「ありがとうございます」

ご婦人「そうしたら熊みてぇな絵が描かれている看板が見えてきますので、その看板の      

    すぐそばです」

一行「ご親切にありがとうございます。助かりました。」

ご婦人「お気をつけて」


一行は目的地に向かって歩きはじめた。

みんな黙ったまま歩き続けた。


誰からともなく沈黙が破られた。


沈丁花「熊みてぇな看板のそばだよね」


掟カローラ「そそ、熊みてぇな看板」


坂本ちゃん「熊のね」


一行は再び目的地に向かって黙って歩きはじめた。


一行は『湯の泉』に到着し、はしゃいだ。

西園寺、絵梨奈、真美は露天風呂には入らず、別室でシャワーだけ浴びた。

町保存会のメンバーは露天風呂と絶景を大いに楽しんでいた。


沈丁花「ところでフツーに浸かってますけど、お父さん誰?」

老人「伊豆ツアーに参加してる者じゃよ」

竜次「もしかしてライママの旗に間違えてついてきちゃったのかな?」

老人「露天風呂が気持ちいいからいいんじゃよ」

竜次「じゃあ僕が後でちゃんとした方のツアーさんのところまでお送りしますよ」

老人「悪いやね」

一同「ワハハハ」

みな心なしかおちんちんが大きかった。


お風呂から出た後、ロビーに全員集合した。

沈丁花「竜次さんがお父さんを送る間、軽くゲームコーナーでも行きましょうか」

掟「ちょっとだけ覗いてみようか」


沈丁花、坂本ちゃん、掟さん ライママ、西園寺はおもむろに『太鼓の達人』をプレイしはじめた。


一時間後。


絵梨奈「いいかげんやりすぎじゃない?」

真美「大の大人が熱くなっちゃってみっともない」


『太鼓の達人』に興じる大人たち、特にバスガイドの服を振り乱して、プレイしているライママの後ろ姿を見た時、絵梨奈と真美の頭の中に哀しい音楽が流れた。


絵梨奈・真美「西園寺さーん、ちょっといいですか?」

西園寺が絵梨奈達のところへ来た。


絵梨奈・真美「西園寺さん上手いですね。」

西園寺「ありがとうございます」

絵梨奈・真美「あの、、何というか、もう少し、こう、のんびりプレイなさってはいか

       がかと、、」

西園寺「ん?どういうことですか?」

絵梨奈・真美「保存会の人たち、生粋の負けず嫌いみたいで、、、」

西園寺「僕に八百長をやれと?」

絵梨奈・真美「いやいや、そうは言ってないじゃないですか、、その、何というか、

       、、」

西園寺「お断りします。真剣勝負ですから」

絵梨奈・真美「……」


一時間後。


町保存会のメンバーは、ビール休憩に入った。


ライママ「えりちゃんも真美ちゃんもやってみれば?せっかくだし」


絵梨奈と真美はせっかくの意味がよくわからなかった。


絵梨奈・真美「私たちは結構です」

ライママ「そんなこと言わずに。アタシが教えてあげるから三人でやりましょう!ほら     

     ー、ほらー!」

絵梨奈・真美「じゃあ、一回だけですよ」


一時間後。


西園寺「いいかげんやりすぎじゃないですか?」

沈丁花「大の大人が熱くなっちゃってみっともない」


西園寺はバイクレースのバイクにまたがってプレイしている三人、特にバイクと体を斜めに地面ギリギリまで傾けてカーブを曲がるライママの後ろ姿を見たとき、西園寺の頭の中に非常に哀しい音楽が流れた。


西園寺・沈丁花「真美さーん、ちょっといいですか?

真美がみんなのところへ来た。

西園寺・沈丁花「真美さん上手いですね」

真美「ありがとうございます」

西園寺・沈丁花「あの、、何というか、もうすこし、こう、のんびりプレイなさっては         いかがと、、」

真美「ん?どういうことですか?」

西園寺・沈丁花「絵梨奈さんもライママさんも生粋の負けず嫌いみたいで、、、」

真美「私に八百長をやれと?」

西園寺・沈丁花「いやいや、そうは言ってないじゃないですか、、その、、何というか  

        、、、」

真美「お断りします。真剣勝負ですから」

一同「……」


一時間後。


『ゲームコーナーは間もなく終了致します』のアナウンスが館内に流れた。


一行の一部始終を親子連れがずっと見ていた。子供の目に熱いものがつたっていた。


episode6 完結編 につづく

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