第12話 テスト結果
テストも終了し、平和な1日が始まる。かと思いきやそんなことはなかった。
「「「「……」」」」
クラスには重い空気が漂っている。それはなぜか? 今日がテストを返却される日であり、自分の順位が近くの壁に張り出される日だからだ。
「ふぅ、やっぱり緊張するな」
「だな」
「あぁ、こんなに緊張するのは受験する時以来だ」
俺たちはそれぞれが神妙な面持ちで待っている。まるで1分が何分にも感じられる。いっそのこと早く来て俺を楽にしてくれ。
「はい。じゃあ、返していくぞ」
来た! 俺は心の中でそう思った。とうとう来てしまった。果たして俺の点数はどんなことになってるんだ!? 赤点なんかないだろうな!?
「はい、黒河」
「……はい」
とうとう俺の名前が呼ばれて俺はテストを受け取った。テストは裏返しにされていてまだ点数は見えない。俺は自分の席について恐る恐るテストを表にする。
「っ!? や、やった! よっしゃぁーー!!」
無事赤点はなかった。それどころか今までで1番良い成績が取れた!! やった! 最高だ!
「じゃあ、順位も張り出しておくからな。見たい奴は今のうちに見ておけよ」
先生の言葉と共にクラスの奴らは全員教室外に出る。俺も自分の順位がどこにあるか気になるので外に出た。
「俺の名前、俺の名前は……あった!」
180人中95位位だった。真ん中よりは少しだけ低いがそれでも今までの俺からしたら1番高い順位だ。俺は嬉しさのあまり裕司たちのところへ向かった。
「なぁ、慶太と裕司はどうだった?」
「俺は90位だった」
「俺は61位」
やっぱり慶太は順位が高いな。裕司は俺と大して変わらないが慶太は俺たちと比べると頭が良い。
そうだ、瑞波はどうだったんだ? 俺の勉強に付き合って貰ったし、もしかして順位落ちてたりしてるのかな? 俺は心配になって瑞波のところへ向かう。
「あ、いた」
「どうしたんだ? 何か俺に用でもあったのか?」
「いや、その。瑞波さんには俺の勉強見て貰った訳ですし、学力とか落ちてないか心配でして…」
俺は申し訳ない気持ちになってしまって目を逸らしながら話してしまう。すると瑞波は大きなため息をついて俺を引っ張る。
「ほら、見てみろ」
「うわ、すげーな」
なんと瑞波の順位は一位だった。やっぱこいつやべーな。俺は改めてそう思った。
「なら、テストも終わったし。瑞波も一位だったし、みんなでどっかで打ち上げしよーぜ!」
「まったく。しょうがないな」
こうして俺たちはテストの日を無事乗り切った。
女の人と浮気をする王子様系の彼女。俺は別れて男友達と普通の青春を送る クククランダ @kukukuranda
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