第34話 都会の女は賢くなる ティーナ目線

今日も迎えの人と一緒にセイレンさんの所へ行く。道もわかるし昼間だから一人で行きたいが、一人で来てはいけないと言われている。


最近ではお姉さんたちとお昼を一緒に食べている。いい匂いはいいお味。ほんとうに美味しい。


「ティーナの旦那が誰かとは聞かないけど、男って以外と可愛いわよ。確かに個体ごとに取り扱いが違うからたいへんだけど・・・・まぁわたしたちは取り扱い数が普通より多いから、いろいろ教えるよ」


「そうそう、一目惚れとか言う男は面倒だけど、裏表がないね。好き、大事って気持ちを真っ正直に出してくるから、逃げながらよく観察するといいけど」とお姉さんたちは、いい笑顔で教えてくれる。



「ずっと逃げ続けたい。だけど、多分追いかけて来なくなると思う。お金を渡さなくなったから他の騙しやすい人に行くと思うなぁ。近くの人からの方が取りやすいでしょ」と言うと


「お金を取る男か・・・・最低ね」


「でしょ、でしょ、他の女三人にドレスを贈って請求書をわたしにまわしたのよ・・・・青尻尾め・・・」


「なに、青尻尾って」


「髪の色が青っぽい黒でこのへんで結んでるのよ。最初に尻尾だって思ったから・・・・名前も口にしたくない」


「請求書ってどこの?」とお姉さんが聞くから


「マダムボー・トメールだったかな」


「マダムボ、マダム、マダム、マダム・ボーテ・メルバ」


「それそれ、セイレンさんすごい」


「ちょっとそこでドレス作るような人って」って別のお姉さんが呆れて言うから


「青尻尾の女よ。三人も・・・払ってないよ。誰が払うかって」


「そう、ティーナその人に騙されたの?」


「そうよ、こずるい目つきの金髪極道と青尻尾が組んで田舎出の女を騙してるのよ」


「金髪の男と黒髪・・・・」とセイレンさんが呟くも、すぐに


「ティーナ、デザートお代わりする?」と言ってくれた。


「する、する・・・・ありがと」と言いながら、お代わりを受け取った。


「あーーここにいると楽しいから、すぐ時間が過ぎちゃう。帰らないと」と立ち上がった。




家に戻ると、サリーさんが声をかけてきた。


「あの種、本当に成長が早いわ。もう蕾が出てきたのよ」


「あら、見に行きます」


「あなたも一緒に来てね」とサリーさんは送ってくれた人にも声をかけていた。


蕾を見ても花色の予想はつかない。この種は途中の村で貰った物だ。亡くなったおばあさんが気にった人にあげてねって言い残したからと言ってわざわざ馬車まで持って来てくれた。


一応、わたしが貰った物だから、植える時そばにいた。水はわたしが出したものをかけた。


その後は丸投げだった。ごめん死んだおばあさん。だけどサリーさんはすごく上手に育てる人だから・・・・


わたしは思い切り水を出して、たっぷりかけた。お詫びのしるし、たっぷりどうぞ。

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