生きている限り…6

 1週間後、検査結果を持って、ケイトが病室を訪れていた。

「タイトな検査スケジュールだったね。お疲れ様」

 ディープは検査データを受け取って、自分で確認しながら、

「それで? 結論は出た?」

「うん。ディープ、オペをしよう。今なら開胸しないで、カテーテルで可能だよ」

「心カテか……」

「薬物治療だけで済むと思ってたわけじゃないだろう? やるなら早い方がいい。ちょうど3日後にひとつ枠があいたから。それが最短だよ」

「それはまたずいぶん急な話だね」

「ディープ。今さら心の準備をする時間が欲しいとか?」

 ディープは片手をふって、

「いや、そうじゃない。でも、一度、家に戻りたいと思って。ダメ……かな? 家族に会っておきたいんだ」

 ケイトの微妙な表情に、いそいで付け加える。

「ああ、君のやるオペを疑っているわけじゃないけど」


 ケイトは少しだけ考えていた。

「いくつか条件があるけど、守れる?」

「たとえば……?」

「誰かに送迎してもらうこと。外泊は許可できない。消灯時間までに戻ってきて。それから、外出中、もしまた強い発作を起こすような事があったら、オペは仕切り直しで延期だよ」

「……わかった」

「ん、あとで外出許可書を出しとくから」

「ありがとう」

 本来なら無理と言われても仕方なかった。何かあったら責任問題になる。それでも彼女は許可してくれたのだった。

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