修学旅行⑧

俺はチルハたちの集団を睨みつけた。


チルハとは仲良くできると思ったんだけどな。


同じ転生者としてこれからも一緒に苦難を乗り越えていけると思っていた。


だが、先に矛先を向けたのはチルハだ。


こうなってしまえば、こちらも対抗しなければ。


俺はこっちに来て決めたじゃないか。


'天の子になる、学園生活を満喫する!'


こんなところで殺されてたまるか。


「チルハ、最後に聞くけどお前は俺と同じ'転生者'では無いんだな?」


俺は落ち着いて睨みつけるように聞いた。


「ああ、そうだよ」

君がベラベラと話してくれるから、沢山情報を得られた 」

「君の言っていた'異世界転生'ってものも上に報告する予定だ 」


俺が油断しすぎた。


チルハを信用しきって、転生のことや天の子のことまで全部話してしまっていた。


結局心を読まれるならどの道一緒だったのかもしれないけど。


そもそも、俺はテストで目立ちすぎた。


いきなり全教科1位を取ったりなんてしなければ、チルハの目を引くことも無く、心を読まれることなんてまずなかっただろう。


この口調だと、まだチルハは組織の上の方には俺の事を詳しく報告していないはずだ。


ならば今俺がしなければならないことは1つ。


「チルハ、お前をここで倒す 」


俺はバックから取り出したナイフを前に構えた。


「そんなものを鍾乳洞に持ってくるなんて、メルトくんはかなり運がいいんだね 」


チルハは俺にそう言うと後ろの仲間に何やら合図をした。



「君も、テストで暴れたりしなければこんな目には遭っていなかったのにね」


チルハは俺を煽っているつもりなのだろう。


だが俺だってお前に負ける気で挑むわけじゃない。


俺は後ろにいるジンクル達を見た。


幸いにも俺らは固まっている。


みんなが離れ離れにならなくて良かった。


「みんな、聞いてくれ 」

「さっきも言った通り、チルハの能力には気をつけて欲しい 」

「マリン、俺は分かってたぞ、お前n… 」


俺がみんなに策戦を伝えようとしている時、オレたち4人に向けて光の弾が放たれた。


さっき洞窟で受けたものと一緒だ。


今回も俺の能力のおかげであらかじめ察知出来た。


にしても今のはなんだ?


俺ら4人は分散されられた。


今のがさっきチルハが指示していたものか?


そう思った時、俺らの上空に飛行している人物を視認した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

続く

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