異世界での生活


階段を登ってくる足音が俺の部屋の前に着いた時、部屋の扉がひらいた。


開いた先に立っていたのは、全く見覚えのない30代ぐらいの女の人だった。


『あら、もう起きてたのね』


俺はどういうことか全くわからなかった。


『すみません、ここはどこですか。

病院とかですかね。』


俺は、刺された後病院に運ばれたのではないかと疑った。


『何寝ぼけたこと言ってるのよ。

顔洗ってきたら?』


ナースにしてはかなりフレンドリーすぎると思いながらもいうことを聞くことにした。


『洗面所はどこにありますか.....』


『はぁ?

もういい加減にしなさいよ〜』


少し呆れられた口調で俺を洗面所まで連れて行ってくれた。


全く何が起きているか分からない。


『とりあえず顔洗うか。』


『???』


『なんだこれ。』


俺は鏡を見た時頭が混乱した。


そこに写っているのは全く知らない青年なのだ。


『頭の整理がつかない。でもなんかイケメンだなこいつ。』


俺は自分の顔よりもはるかに整った顔立ちにびっくりした。


これはおそらく"異世界転生"というやつだ。


受験期息抜きにラノベや、な⚪︎う作品を見漁っていたのでこの類はよく分かる。


これってまさか魔法とか出せたりするのか??


『ふっ!』

『.......』


手を伸ばし力んでみたが、期待とは裏腹になにも起こらなかった。


『大体これ系は魔法とか異能力とか使えるんだけどな。』


変なことはやめてさっさと顔を洗うことにした。


顔を洗い終わりリビング?のようなところに行くと、さっきの女の人(おそらくお母さんだろう)がご飯を作っていた。


それを待つようにしてテーブルに腰をかけて待っている間に周りを観察してみる。


建物の作りは中世野ヨーロッパ奈様な感じで、俺の住んでいた日本ほど文明は進んでいないようだ。


しばらく周りを見ていると、2階から男の人が降りてきた。


おそらくお父さんだ。


『おはようメルト。』


お父さんの声はイケボすぎてビクッとしたのと同時に自分の名前を知ることができた。


俺の名前はメルトというらしい。


『おはようございます。』


俺も挨拶を返すと、お父さんとの会話が始まった。


『なんで敬語なんだ⁇』


お父さんは俺が敬語を使っていたのを少し笑っていた。


『今日は早いなメルト』


『ちょっと早く目が覚めちゃて。』


俺もできるだけ柔らかい話し方で返した。


『今日は学校で何かあるのか⁇』


『え、いや別に』


とっさに答えたが、学校というワードを聞いて前世のトラウマが蘇ってきた。


(別にとか言っちゃったけど、この世界での学校のこととか何も知らないよぉ)


『俺って今何歳だっけ。』


不自然になるのは分かっていたが気になるのでお父さんに聞いてみると。


『何言ってんだ

今日寝ぼけてるんじゃないのか。』

『お前は今16だろ〜』


また、少し笑いながらお父さんが答えてくれた。


(まさか前世と同じ年齢とは)


その時家のドアがノックされる音が聞こえた。


『メルト〜学校の友達来たわよ〜』


お母さんが台所から教えてくれた。


てか、まだ朝ごはん食べてなくないか?


その疑問もありつつなんとか支度をしてドアを開けた。


これから異世界での学生生活が始まるんだー‼︎


続く

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