第13話 勇者パーティ
勇者ファスターのパーティは、はじまりの町路地裏で女性体のアンデッド、デュラハンと戦闘をしていた。
今日はギルドでクエストの報酬を貰い、4人で山分け。これから酒場に繰り出そうと路地を歩いていたら。遠くから悲鳴が。
街中で悲鳴はよくあるものの。ファスター達は長年の慣れで敵感知のスキルを使う。そしたら物凄い数のモンスターがはじまりの町に侵入している事に気づく。
ピピは叫ぶ。
「何?! 町中で何が起きてるの??!!」
魔法使いピピは狼狽える。カカは叫ぶ。
「魔物探知が動くぞ!! 敵集団だ!!」
勇者ファスターは剣を取る。
「皆!! 構えろ!!」
勇者ファスター達は陣形を取り構える。路地の周りの薮から4体のアンデッドが飛びかかって来る。
「キャーーーー!!!!」
「何これッ!! 裸の女性!!」
女性のサリアとピピは驚く。アンデッドは裸でしかも女性体。ピピは叫び。サリアは顔を赤らめて手で覆う。勇者ファスターは冷静に言う。
「デュラハン、女性体だ!! みんなあいつらはモンスターだ!! 襲って来るぞ!!」
ピピ、
「そんな事言ったって!! 裸よ!!」
勇者ファスターは冷静だが他の3人は慌てふためく。高レベルのアンデッド、デュラハン首の無いゾンビ、しかも女性体の裸、彼らは既に混乱していた。
ファスター、
「鎮まれ! たかがゾンビだ!! 来るぞ!」
ファスターは剣でデュラハン一体に斬りかかる。ファスターはデュラハン一体を倒す。倒れたデュラハンは黒い塵となって跡形もなく消えていく。何故ファスターは高レベルモンスターデュラハンを倒せたのか?
これはカエルモンスター雨頭冬夜との修行で身につけたあるスキルだ。普通なら銀の剣か聖なる力を付与した剣でしか倒せないのだがファスターは雨頭冬夜の元森の洋館で剣に魔力を乗せる操作術を学んでいた。少量の魔力を注ぎ属性操作聖属性に変える。それで斬る。そもそもファスター自身ザマァする勇者ではあるが雨頭、キティと同じく転生者。その上天才系である。こんなのはコツを掴めば楽だった。
「きゃーーーー!!!!」
魔法使いピピは叫びながら杖をぶん回す。混乱しているようだ。
他の3体のデュラハンはファスターのパーティを襲う。格闘家カカが殴るも倒れない。そこにファスターが斬りかかる。ファスターはまた一体倒した。
カカ、
「な、なんだ!! コイツ、倒れないぞ!!」
ファスターはもう一度敵探知スキルを使う。デュラハンはアンデッドで特殊な武器でしか倒せない上、何か黒いオーラで強化されていた。ある程度の攻撃や魔法は無効化出来る位の強力なオーラ。しかも全てのデュラハンにかけられているようだった。ただ事ではない。ファスターは嫌な予感がした。
ファスター、
「ピピ!! エンチャントファイアでカカの拳に魔法を乗せろ!! サリアはホーリーサークルを唱えて仲間を守れ!! 俺が倒すから!!」
あと2体のデュラハンを殴って振り返るカカ
「分かった!!」
ピピも我に返り答える。
「はい!」
サリアは詠唱に入った。
勇者ファスターのパーティは持ち直す。しかし路地の奥からゾロゾロとデュラハンが出て来る。どれも綺麗な体の女性体。戦闘経験の無さそうなアンデッド。それでもあの黒いオーラを身に纏っているのが厄介だ。
勇者ファスターは思う。
多分あの黒いオーラは操っている者がいるだろう。どこだ?? そいつを倒せば。
でも、今はそれどころではない。またパーティは囲まれた。
ファスター、
「はじまりの町を守るぞ!! みんな! 頑張れ。」
ファスター達の奮闘は続く。
つづく
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