第11話 エクスプロードンパンチ
私ミリアは、はじまりの町酒場でモンスターゴーレム山田と対じしていた。
私は倍力倍速を使い一瞬にしてゴーレム山田の間合へ。ゴーレム山田はその巨体から腕を振り下ろすも遅すぎる。
私は赤い炎を纏った右手を山田の胸にぶち込む。ゴーレム山田は驚くも胸に傷一つ出来なかった事に安心して私を煽って来る。
「ガハハハハハハッ!! この程度か!! オデに傷一つ付いてない! この程度で魔王様を倒したのか! このラッキーガールが!」
笑い続けるゴーレム山田。私はゴーレム山田の煽りを聞いてホッとする。こいつホッとしすぎて攻撃が止まった。そして私は言い返す。
「この程度の訳がないじゃ無い。あ、そう、あなたは胸に大きな穴がご希望のようね! そうですか。なら空けてあげますよッ!!」
ゴーレム山田の胸に突きつけた右手に力を入れる。私はエクスプロードンパンチの練度と重ねがけの回数を上げていく。そう。エクスプロードンパンチは重ねがけOK! しかも私の魔力が切れるまで無限にッ! 私の魔力が切れるか私の右手の耐性崩壊を起こさない限り無限に強くなれるのだ。
カエル師匠の雨頭冬夜は拳への魔法掛けを教えてくれたもののここまで適性があるとは思わなかったらしく。前回の魔王退治も太鼓判を押してくれた。まあ、ちょっと嫉妬してるみたいだったわね。
巨体のゴーレム山田は驚くももう遅い。大男位のゴーレム山田の体をエクスプロードンの炎が包み込む。重ね掛け回数が2、3、4、9、99、999、9999と増えていく。ゴーレム山田を包む炎が激しさを増す。酒場の客は全員逃げ出した。女将も避難した。既に山田の胸に大きな穴が開きそのまま体全体が溶けていく。最高金属アダマンタイトも溶かしてしまった。山田絶命の最期、
「お、オデが負けるなんて!!とうちゃーーんッ!!」
山田は溶けて無くなった。私は一呼吸する。右手のエクスプロードンパンチの熱は瞬時に収まった。今回は酒場を壊さなかった。抑えたからなあ。私偉い!!
そこに師匠の分身が入って来る。もう遅い!
「何してたんですかあ? もう倒しちゃいましたよ? 師匠。」
「悪い、遠目で見てたからさ。それよりそこのサキュバス!! どうすんだ?」
木造の酒場には私と師匠そして宙を飛んでる魔王軍サキュバス・テトジャスティーしか残っていない。この子泣いてるの? 悔しくて?
「何よ! これ! 覚えてなさい! ピザパイガール!」
「誰がピザパイよ!!」
これでも同い年の子よりは大きいんだぞ! ファスターのとこのピピとか目の前のサキュバスよりかは控えめだけど! キティちゃんが揉める位にはあるんだぞ!
サキュバス・テトジャスティーは酒場の吹き抜けを飛んで2階の窓から逃げてった。
私は見逃した。鑑定スキル上あいつは諜報部員だ。戦闘スキルが見える皆こなしでは無かった。このまま魔王軍陣地に帰るだろう。私の強さを電報して撤退してくれるとありがたいなあ。師匠の分身もテトを見逃した。師匠の分身とはいえ出来ることは限られてるらしい。体の仕組みはコピー出来るが魔力系統はコピー出来ないらしい。出来るのは体術と気の使い方系統。また、今は精霊術というものが出来ないかどうか練習中とか。ホント修行バカ。
サキュバス・テトジャスティーが逃げる際師匠の分身は何か彼女の体に水みたいな液体を飛ばした。何だろう? あの仕草? サキュバスはそのまま気づかず逃げたが何だろう? 例のアレってやつか?
師匠の分身。
「オイ! ここは後だ! キティのとこ行くぞ!」
師匠は焦っている。
「は、ハイ! 師匠!!」
私は師匠と酒場を出て走り出す。酒場のお客さんとか女将さんに手を振って。これが戦争なのか? 私は状況を飲み込めてないまま。師匠と走った。
つづく
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