第7話 ゴーレム山田

 ゴーレム山田はある女性と酒場にいた。はじまりの町、酒場ウサギのしっぽ。何度も勇者ファスターと共にミリアにぶっ飛ばされた酒場だ。ここの女将さんは陽気でミリアを責めたりはしなかった。次の日にはギルドの人達で店を直し陽気に仕事していた。

 

 ゴーレム山田とサキュバス・テトジャスティーは人避けのフードを被り共に人間の酒場に潜入していた。丸テーブルに二人で呑み、連日人を探していた。


 テトはちょっとギャルっぽいツンデレ。


「山田? 本当にあのミリアって小娘、ここに来るんでしょうね??」


 ゴーレム山田は巨体な体をフードに隠して猫背で答える。


「わ、わかんね。おで酒飽きた。ここの人間殺していい?」


 フードから見せる金髪のツインテール褐色の肌のテトは重い口調で山田を諌める。


「シッ! まだよ。魔王さま達の合図があるまでお酒でも呑んでなさいッ!」


「おで、酒好きでねえ。」


「そんなんだからあんたモテないのよッ!」


 ゴーレム山田の言動に呆れるサキュバス・テトジャスティー。このゴーレム山田は七魔王ゴーレム山田の息子であり子分のゴーレム山田一太郎である。魔王ゴーレム山田シリーズは皆ゴーレムであり硬く剛腕であるがいつもおつむと精神が安定しない。魔族の中では女性人気は無いものの仕事はするので男性魔族からはありがたがられている。



 テトは思う、なんで私こんなんと組まされたのだろうと。





 その1ヶ月前、森の洋館ではミリアである私とティーナさんで話していた。


 私はティーナさんの出したティーカップでレモンティーを飲んでいると、ティーナさんは写真カタログを出してきた。


 ああ、写真の皆さんイケメンなのね。ティーナさんこんな趣味持ってたのかあ。やはりカエルモンスターの師匠では荷が勝ちすぎるよな。こんな美人。ティーナさんは言ってきた。


「で、ミリアちゃん。どの人が好みですかぁ?」


 ティーナさんがおっとりと言ってきたので私はちょっと探してみた。


「ティーナさんも推し活するなんて隅に置けないなあ。 あ、この金髪のイケメン、いいんじゃない? 年も低くてこういう子にお姉様言われてみたいなあ。」


「あらあら、ミリアちゃんお目が高い、この人隣の国の第二王子よ。」


 見た目ゴスロリなティーナさんがそういうので私はレモンティーを吐きそうになった。


「え? ええ?! あの、これ、なんです??」


 ティーナさんは悪がりもなく言う。


「何ってミリアさんのお見合い写真ですよー。」


「おッ?! お見合いッ??!!??」


 私は洋館のリビングのソファでのけぞってしまった。お見合いなんて考えてもなかった。ティーナさんが言うには私が魔王を倒した事で騎士家や王族からのお見合いの話で持ちきりなんだそうだ。私の遺伝子が!! 狙われている!! 


 ティーナさんはずるい!!


「うふふ、王子様かあ。そうよね、女の子なら王子様よねッ!!」


「うう、ティーナさん。ごめんなさい、許して!! 私まだ冒険したい!!」


 私はまだ嫁ぎたくない!! まだ冒険したい!! 私は泣く泣くティーナさんと話し合った。


 私はもっと遊んでいたいし冒険したい。師匠のとこでその力を手に入れたのに!! あんまりだーーーー!!!!


 話し合いの結果花嫁修行をしつつ冒険を認められた。麗し乙女わたし。



                  つづく

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