第5話 キティの本質

「どうして??」


 美少女剣士キティにはこの状況が分からないらしい。雨頭、


「お前だけが光速で動ける訳では無いからな!!」


 カエルのモンスターはブラフをはって真実を言わない事にした。カエルの雨頭はブラフが好きだ。これは戦闘技術の一つ。分身だ。魔法ブラッディドールという魔法で血の一滴から本人の分身を作れる。修行の前から分身で接してきてここで本人登場だ。斬られたのは分身の方。雨も異世界転生者なので自分の手の内を明かしたくない。


 剣士キティは興奮する。今まででこんな強敵に会ったことが無い。ちょっと本気出す事にした。


「じゃ! これならどうです? 空切断列破!!」


 空間を斬る斬撃を嵐のように一瞬で数十回放つ。もう人の技ではない。カエルは思った。地下の修行場が崩れるぞ??


 雨頭は一瞬溜まる。倍速倍力と呼吸法の応用。集気法に行う。雨頭は一瞬で体を整えると光速で移動しキティに近づく。キティもがむしゃらに斬撃を放つ。地下の修行場の壁が空間を斬る斬撃で崩壊寸前だ!!


 雨頭はキティとの距離が寸での所で手をかざす。カエルの手だ。キテイは斬撃を放つ。しかし。キティは動きが止まる。そして膝から崩れる。雨頭はキティに触れもせず倒した。


 雨頭は思った。この技はいけるなと。雨頭もミリアが旅に出ている間修行に務めた。他の異世界にもゴスロリ魔法少女のティーナにゲートを作ってもらい、出向いてた。そこで習ったのが練精法と精霊術である。特に精霊術は精霊魔法とは違って精神に効く魔法だ。


 雨頭冬夜は自分の精気をキティに当てて一瞬でキティを無気力状態にしたのだ。


 雨頭はキティに言う。


「ちょっと動けないだろうが耳は大丈夫だろう?? ちょっと質問に答えろ。」


 キティは聞くしかない。


「は、ハイ。」


 雨頭は言う。


「キティ、お前異世界転生者だろ?」


 キティはうなづくしか無かった。


「そ、そうです。隠しててすみませんです。」


「しかもお前、前、男だったろ? 今流行りのTSってやつか?? すげえな。」


「うう、ご、ごんなさーーい!」


 キティは言い返す事も出来なかった。そしてキティ自身なりたくてなったわけではない。転生したら女の子だったのだ。そして出来れば男の子で有りたかった。


 カエル師匠は少し沈黙する。キティは耐えるしか無かった。まだ体が動かない。そしてカエル師匠は


「よし、合格だ。」


「え?」


「これからミリアをよろしくな。一緒に魔王を倒すんだろ? お前らなら出来る筈だ。」


 キティは安堵してそして倒れた。安心しきった顔で寝てしまった。カエルはそれを見つめていた。闘いは終わった。それでもカエル師匠は心から中で思った。


(ああ、もう知らね! 魔王軍と全面戦争だな。)


 こういう時に大人はタバコを吸うのだろう。カエルは禁煙家だ。雨頭は天を仰いだ。


 その頃ミリアはティーナとミリアの花嫁修行の為料理をしていた。

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