第3話 魔王の間 魔王の円卓

 ミリア達がはじまりの町で寝ている間。魔王達は集まっていた。魔王達は考えていた。炎の魔法使いミリアに敗れた魔王達は彼らの骸を回収して再生していた。


 魔王軍は人より圧倒的な魔化学兵器を持っている。魔族のエリート軍。それなのに一人の小娘に負けた。なんたる屈辱、魔王達は考えた。


 増強が必要だと。このままでは人間に魔族が滅ぼされてしまう。この数年で、異世界の転生者は増えて人間の文明は著しく進歩している。


 まずはミリア暗殺の命を魔王は幹部に伝える。彼らは人に紛れて人の街に降りる事を決断した。


 そして女神イリアに宣戦布告する。これ以上異世界転生者を増やされては困る。女神を探す先兵を出す事にした。魔王は憂慮している。今、時代が動く事を。


 魔王の間、魔王達は会議を急いでいた。青の魔王リバイアス雨子が倒され四大魔王の剣の魔王クサナギダーマも倒された。二人の骸は回収され魔王の間、無限回廊の再生器で修復されつつある。我ら魔王は何度倒されても蘇る、そして前より強くなる。しかしこの数ヶ月で二人の魔王が倒されるのは異常事態。魔王達は焦っていた。


「どうすんのよ?! これ!? この域に人類が到達するのは早すぎる!!」


「大丈夫だ。この魔王の間、無限回廊のオーバーテクノロジーさえ人に渡らねば魔王と魔族は人に負けない。」


「それでも異常だろ? あの娘の強さは。」


「ガッハッハっ!! 炎魔法最強エクスプロードンを拳に載せて殴るとはな!! しかも女性が!! 大したものだ!!」


「我々は炎の魔法使いミリアを倒さねば。美しくはないが。」


「私ははじまりの町にスパイを送りますね! えへ!」


「そういえばはじまりの町には魔女ティーナがいたな。懐かしい。」


「それは御伽話の世界でしょ! フン。」


「いや、俺は会った事があるぞ?? 妻に迎える為。フフフ。また会えそうだ。」


「そうだな色欲の大魔王は会ったっていうわな。ああ、どうでもいいわ、強いやつと闘えるなら!」


「ハハハ、求婚したんだが。フラれたんだ。ははは。今度こそ俺の物にしてやる!」


「今はそんな話をしていない。真面目にやれ。」


「おーす。おれっぢが倒しに行ったるで! ぐしし!!」


「お、黄の魔王。ゴーレム山田が挙手か! よくやった。」


「とりあえず、やっちゃえ! ゴーレム山田!」


「ああーーい!!」


 魔王達は思った。大丈夫かな??


 魔王会議は朝まで続いた。




                  つづく

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