第11話 稽古 いちっ!

重なり合う視線は重く鋭い。


お互いが木剣を手にして数秒


すぐにこの状態になった。


息遣いや視線の動きから筋肉の力の入れ具合で互いの動きを予測していた。


さっきまで家にいた部下達も庭の空気の変化に勘づき外に出てみれば、自分達よりも明らかに若い子供が木剣を握って上司と対峙しているこの状況。


誰もがおかしいと思う。

だが1番おかしいのは子供が手加減とはいえ上司の殺気に耐え、勝るほどでは無いがそこそこの殺気を放っていることであろう。


そろそろ30秒経過する辺りで騎士団長が動き出した。


素早く間合いを詰め、勢いそのままに刺突。


若干の手加減してる感はあるがそれでも子供相手にやっていい速さと威力じゃ無いのは見ればわかる。


だが、目先の少年はそれを知っていたと思わせるような完璧な回避を見せた。

しかし、上司はすぐに刺突攻撃の回避直後の無防備な少年目掛けて、振り下ろし攻撃を繰り出した。


流石に避けられなかったと思ったが、それすらも軽々と躱した。


「おい。。あの少年本当に子供か?」


「見ればわかるだろ!!見た目は子供だ!」


部下達も流石に驚いていた。

しかし、身内に1人これ以上の動きを見せる子供がいるからか中にはあまり驚かずに静観してる者もいた。


だが、まだ攻守は変わらない。


一通りの猛攻を凌がれた騎士団長は手を止めた。


「ふむ。避けてばかりでは稽古にならないだろう。遠慮なく攻めてきてくれ」


その言葉に少年は若干何か言いたそうな表情をしながら姿勢を変え


少年が駆け出した。






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