第10話 イケオジ騎士団長に出会いました。

父さんを見送ると、入れ違うようにして、鎧の上からでも分かる程鍛え抜かれた筋肉を身に纏ってる騎士がやってきた。顎髭の感じが渋い!!これがイケオジ。。


「おや?君がジン殿の息子殿のフェン君かな?」


そう言うと体格に似合わない程の柔らかな笑顔を向けてきた。


「はい。私がフェン・フォーイニクスです。えっと。。」


名前を答えたのは良いものの続く言葉が見つからず困ってると、目の前の騎士がニコニコしていた。


「そうか!君がフェン君か!ジン殿から先程君のことを聞いて。。おっと済まない。私が名乗ってなかったな。名はグレイド。アイシア家に仕える騎士団の団長をしている。まぁ大した事はしてないけどね。」


驚愕の事実。

イケオジだけでなく、団長!?


マジか。。。何その勝ち組みたいなやつ


てか筋肉すご〜

顔の傷もザ色んな戦場から生還してきた感が凄い。この世界だと魔物の討伐とかか?


鎧のように鍛え抜かれた身体


これは。。


きっと。。


「脳は筋肉でできていた。。」


「?どうしたんだい?フェン君?」


ハッ!?


無限の筋製の詠唱をするところだった。。


こいつ。。できる!!


じゃなくて!!!!!!


「いえ、な、なんでもありません!」



急に慌てて誤魔化す俺を不思議に思っているのか、何かすんごい隅々まで見られている気が。。。


「ふむ。フェン君はジン殿に戦い方を教わっているのかい?」


戦い方?

なんだ急に。。

魔力は反射で抑えてるから、ラノベであった展開だと。。


体感とか?所作?武道の心得的な?


いや、ナイナイw


俺も狩しているから気になって聞いてきたのかな?


「基本的にはこの庭で打ち合いですかね。それ以外は森で実戦の中で教えてもらいました。」


取り敢えず聞かれた事は答えた。

のだが。。


「ふむ。。」


さっきよりもなんか見られてるんですけどw


え?何?なんなの!?


「あの。。」


取り敢えず話しかける。これしかない!!


「ん?あぁ、すまない。初めましてで悪いが、今から俺と打ち合い稽古しないかい?」


見た目に反してめっちゃ丁寧な言葉遣いで驚いてしまって、このオッs。。コホン。イケオジなんて言った?え?稽古?


誰と?


俺と?


誰が?


「俺と稽古して下さるんですか?」


「あぁ。今回の騒動が収まるまでは稽古の時間が取れそうにないだろうから、そのお詫びとして今日限りではあるがな。自分で言うのは何だが、これでも騎士団長を務めているし、それなりに鍛えてもいる。新しい発見や良い刺激にもなると思うんだが。。無理にとは言わないが。」


序盤は少し申し訳なさそうに、後半はなんか他に隠してそうな節があるな。。


てか、謙遜しすぎィイイイ


ラノベでもこんな謙遜しまくってる騎士団長おらんでしょ!!

読んできた数々の作品におらんかったよ!!

まぁまだ見ぬ作品達の中にあったかもしれなかったのか。。悔やまれるな。。


「騎士団長ほどの強者に手解きをして貰えるのは人生2週しても今回だけだと思うので是非宜しくお願いいたします」


別に断る意味もないし、自分の実力の把握も大事だ。それに、今の自分がこの世界の騎士団長とどれだけ差があるのか気になるしな。。


ゲームで言えばこれはイベント


でもこれは現実で、実際に起こった出来事。


不思議な感覚に心がザワつきつつも、踊っている気がする。


そんな気持ちを抱きながらいつもの木剣も握る。


え?ペナルティはって?


フ。無いわけあるか!!この甘ちゃんが!!


前提条件!!骨は折れても木剣は折られるな!!


この極限の縛りプレイを俺は乗り越える!!



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