第6話 初めての恐怖
剣の訓練をかれこれ。。。2年
つまり俺は8歳になった。
今は素振りをしている。
ただし、魔力操作をしながら。。
本音を言うと吐きそう。
だがしかしたかし、
早く強くなるにはこれしかない。
多分。
2年も経つと、魔力操作に変化があった。
魔力を体のあちこちに移動させて強化したり持っているものを強化したりとできるようになっていた。
で、剣の方はと言うと、動きはそれなりにってところで、まだまだだ。
そんなこんなで日課の素振りと魔力操作を終わらせた。
それと同時に父さんが庭に来る。
訓練ではなく、今日はあの日だ。
つまり。。
「フェン、では予定通り森に行くぞ。今日は浅いところで魔物と戦闘をしてもらう。真剣を使う方がいいが、フェンにはまだ扱えんからな。いつも通り木剣だ。因みにペナルティは今日もあるから気を抜くなよ。」
「ペナルティ。。。分かりました」
森へと向かって。。
初めて踏み込んだ森。
日本時代の時にも森には何度か訪れた事はあったが、ここまで怖いと思った事はない。
まず空が見えない。
故に差し込む光が少なく暗い。。
そして野生の勘なのだろうか。
この森にヤバいのがいる。
俺が森に潜む気配にビビっていると
「ふむ。さすが俺の子供だ。もう魔物の気配を察知してしまったのか!すぐできるようになると思ったが、まさか初日からかとは。まぁ丁度いいか」
初めてこの人が俺に対して嬉しそうな笑顔を向けたことに驚きつつ、喜んだ。
普段この人クール過ぎるからな。
うん?丁度いいってなんだ?
「父さん。丁度いいと言うのは。。?」
すると父さんは森のずっと奥に鋭い眼光で睨んだ。すると。。
「ーー!?」
突如、父さんが睨んだのと同じ方角から、心臓を掴まれたような感覚になるほどの、恐ろしさを含んだ鋭く激しい殺気が放たれた。
正直言って、自分が立っているのか、腰が抜けて尻餅をついてるのかわからない。体が動かない。思考が。。できない。
怖い。死ぬ。殺される。。
俺は生まれて初めて、恐怖という感情の本当の意味の一部を知った。
そう。これはまだ気配。
これと実際に対峙した時。俺はどうなるのだろうか。。
少なくとも正気ではいられない。。
胸が苦しい。。。
ヤバい。。。息がァァ。。。。
俺が苦しみ出した時。
俺の隣りにいた父さんが、さっき以上の鋭い眼光でこの殺気を放った相手を睨んだ。
すると。殺気がなくなった。
「つまりは、恐怖という感情を体感してもらおうと思ってな。何、そう遠くないうちにフェンはこれ以上の殺気を放つ相手よりも強くなるさ。」
俺はこの時父さんが何をしたのか
父さんがしたことがどれだけのものなのか
分からなかった。
ただ、後にその意味を知った時、別の意味で驚くことになるのは言うまでもないのだが、まだ遠い先のことである。
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